■デフォルトはとりあえず回避されたが、根本的には解決せず
米国のデフォルトは、とりあえず回避されました。
10月1日(火)、暫定予算が執行できなかったことに始まった今回のゴタゴタは、市場をかく乱しました。しかし、まさか共和党も国家をデフォルトにするほどの度胸があるわけもなく、一定の妥協の上、賛成することとなりました。
結局は、既定路線だったということです。
ただし、根本的な解決をしたわけではなく、可決された法案は2014年1月15日(水)までの暫定予算を共和党が認める水準で確保し、2月7日(金)まで国債発行を認める内容となっているに過ぎません。
政治の対立が起きているときに、ありがちな展開です。2014年も共和党と民主党のつばぜり合いは続くでしょう。年を越え、1月15日(水)が近づいてくると、また同じ状況がやってきます。
市場もまた今回と同じような展開となるでしょうが、学習効果により、今回ほどは振り回されないのではないかと思っています。散々振り回された結果となりましたが、結局は台風一過、すべては元通りになったということでしょう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■NYダウも日経平均も米ドル/円もレンジ相場に
そこで、今度は各国の景気状況に注目が戻ってくると思います。日本の景気状況は堅調ですが、特段大きな進歩が見られているわけではないので、それほど材料とはならないでしょう。
米国の景気状況はと言えば、踊り場に差し掛かっていることはこれまでにも言及したとおりです。
【参考記事】
●米FRB初女性議長は雇用重視のハト派!大きく株高・円安が進まない理由とは?(10月10日、今井雅人)
その後も大きな変化は見られていません。今後出てくる指標の1つ1つに注目していくしかないのですが、現状から考えると、相場を大きく動かすほどの激変はなさそうです。
そうした状況を反映して、相場も踊り場に入っています。米ドル/円のチャートを見ても、日米の平均株価指数(NYダウと日経平均)を見ても、ジグザグ状、つまりボックス内でのレンジ相場に入り込んでいることがわかります。
(出所:米国FXCM)
(出所:株マップ.com)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
高値、安値の間に一定の幅はあるものの、方向感は、ここ2~3カ月、まったくなくなってきています。特に米ドル/円は、コンバージェンスの形状を形成しており、ますます上下動が少なくなってくるのかもしれません。
投資家にとっては、何ともやりにくい状況となっています。
以前にも申し上げましたが、こうしたときは…
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)