雇用統計の後をうけて、昨日のアジア時間でもドル円は103円台にステイ。ドル円は今月の高値をチョビっと更新する局面もあった。ここまで来ると、ドル円のターゲットは5月22日の103.72になってくる。その勢いでユーロ円も買え買えということで、高値を142.15まで拡げた。
そうした状況で突入した欧州市場。材料は極めて少ない。しかしクロス円は重かった。ユーロ円は高いほうのサイドばかり気にしていたせいもあって、あっさりと142円ちょうどを割りこんできたのにはちょっとビックリ。ユーロドルは動きが鈍かったが、ドル円は徐々に下がってきた。ドル円が103円ちょうどを割りこんできそうだったので、102.98で売りのストップ注文を置いて、ストップメーキング。
雇用統計でのドル円の上昇分を消しにいくのはなかなか想像しにくいが、その分だけドル円やユーロ円のロングポジションもたまっていることもありうるわけだ。ショートポジションができたので、すぐに103.05で今度は買い戻しのストップ注文を置いた。
経済指標などは少ない一日だったが、この日の注目はボルカールールの承認と、米議会での予算審議の行方であった。金融機関の安全性を高めるためのボルカールールは以前から検討されていたが、ザル法だと非難されてきた経緯もあって、今回の最終案はかなりタイトなものになった。内容も想定された通りであったが、こういうやり方は自由を尊ぶアメリカの手法に本来はそぐわない。
そういうことあるのか、米国株はやや軟調に推移。為替相場ではドル安も進んで、ユーロドルも1.38台を目指す展開。ドル円も102円台の中盤まで押してきて、雇用統計で上げた分をほとんど吐き出した格好。これではリスクテークに弾みはつきにくい。ユーロドルの上昇が激しかったせいもあって、ユーロ円も上昇に弾みがついた。まずい!と思ってと私は102.76で買い戻した。
結局、ニューヨーク時間ではドルの全面安になったまま。米国株は小幅な動きしかしていなかった。しかしニューヨーククローズ後に米議会の両院で財政問題の合意がなったという報道がなされ、やや上昇。ボルカールールにしても、米議会の動向にしても、想定の範囲内なので、マーケットはダイナミックには反応していない。
今週になってからマーケットの動きは静かになった。値幅も小さい。マーケットでは方向感の出にくい状況だ。今晩もイベントが少ないので、テクニカルムーブに左右されることになるだろう。私としては142円台に戻しきれないでいるユーロ円に注目している。もちろんリスクの観点から米国株の動き次第なのだろうが、また142円台に近いところからは売りこんでいってみようかと思っている。
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