先週の金曜日はユーロドルがよく動いた。今年の最高値であった1.3821をブレークしたからであるが、そのきっかけがバイトマン総裁の発言だった。低金利政策を長く続けていると、そのうちに打てる政策の余地がなくなるから危険だというもの。
内容自体は教科書的であり、当たり前のことしか言っていないのだが、さすがにユーロドルが1.38台の近くまで上がってきている状態だったので、上方向のストップロスも過剰に意識されたのだろう。
そのあとに「インフレの状態によっては利上げも」と発言。これももちろん当たり前のことだったのだが、この利上げという言葉に過剰に反応したようだ。一気にユーロドルは1.3895まで急騰。ユーロ金利の先高観が強まったので、ユーロの全面高となった。ユーロ円もこのステージで145.72まで高値を拡げている。
しかしニューヨーク勢が参入してくるころになると、アメリカの長期金利が上昇。上昇幅はそれほどでもないのだが、10年もの利回りで3.0%の大台というのは心理的にもかなり意識されるところだ。これは9月FOMCの直前に付けたレベルでもあるからだ。
そして3.0%を少しだけ越えて、推移すると、為替相場はドルの全面高で推移。欧州時間までドル円にも利食い売りがかなり出ていたのだが、これも反発して105円台に乗せて、なおも高値追いの勢い。
それにしてもひどいのはユーロドルで、結局はストップロスを付けただけで、後はドルの買い戻しの流れとなっている。ユーロドルはトップから150ポイント以上も反落。ユーロドルはアップサイドにかなりのシコリを残した形となっている。
東京市場の大納会には安倍首相も出席ということで、日本株は終盤にかけてアジア市場でも独歩高となった。目先に大きな波乱要因はなさそうに見えるが、金利動向などを受けて株安となってくると、ユーロ円あたりから足を引っ張る様相になるかもしれないので注意しておきたい。
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