金曜日の欧州序盤では、ドル円が102円台の前半で下値攻めするなど、円高傾向が強まった。これは明らかにユーロ円の下げがきつくなってきたものによる。先週はユーロの利下げ期待が必要以上に高まった。金融当局者もそれを援護するかのような発言しか出してこないからだ。量的緩和とかマイナス金利というフレーズが、極端にユーロ売りを誘うのである。株価が堅調でリスクテークが強まっている中でも、ユーロ円が下げてきて、140円ちょうども割り込んできた。
ユーロ円でかなりベアに感じたが、ドル円もユーロドルもともに重い足取りなので、私はバラバラにユーロドルとドル円を売ってみた。どちらかがストップロスをついたにしても、もう片方が生きてくるだろうと見込んでのこと。もちろん両方ともフェバーに進めばよいが、そこまで無視のよい皮算用はしないことにする。
さてドル円を102.14で売って、次に1.3736で売った。どちらもほとんど突っ込み安値であった。ユーロドルが急激に下がってきたので、それに便乗した形だ。ポジションを作った後に、私は出かける用事があったので、ストップ注文だけを置いておいた。どちらも20ポイントアゲインストで。夜の8時半には戻ってくるため、とくに利食い注文は置かなかった。
途中で携帯などから為替レートをちらちら見ていたが、まずはドル円がアウトになった。それでドル高が進んでいるのかというと、そうではない。ユーロドルが1.3700割れに失敗して、反発しているのだ。安値は1.3705まで。それで私のコストくらいまで完全に戻ってきている。ユーロ円が50ポイントも切り返していた。
ドイツのCPIが出て、予想よりも低めのプラス0.3%だった。もっと利下げ期待が高まるのかと思っていたが、為替相場は反対にユーロの買い戻しに動いた。それでユーロドルのストップ注文もダンに。ドル円とユーロドルの両方ともやられてしまい、ふたつ合わせて40ポイントだ。最近のあまり動かない為替相場の中で40ポイントはとても大きい(涙)。
ニューヨーク市場ではリスクテークが進むこととなった。ドル円は102円台の後半まで上昇し、102.70近辺にあった買い戻しのストップロスを全部、飲み込んだ形となった。ユーロ円も141円台の中盤まで見事にショートカバーした。ユーロドルは私のストップ注文を付けた後は、それほども上がっていないし、動きもしていない。完全な円の独歩安となった。
今日はドル円もユーロ円も高値圏で張り付き。これからどちらに向かうかは、欧州勢の参入を見てからということになる。今日から欧州も夏時間入り。15時くらいから為替相場も激しく動き出すことになると構えていたが、ユーロドルは1.3770台まで急伸した後は、ユーロ圏のCPIの発表をはさんで今度は1.3715近辺まで急落したかと思ったら、急速に買い戻された。ドル円は103円台、ユーロ円は142円台に乗せてきてクロス円は堅調だ。
今晩のニューヨーク時間ではシカゴの景況感が出る。これは株価に直接に影響を与えることになりそうなので要ウオッチである。またイエレン議長のスピーチもあるが、これは先日の会見での「6か月」発言の意図のフォローが入るかどうかで、いちおうの注目を集めている。
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