■黒田総裁のコメントでマーケットの地合いが悪化
加えて注目された、黒田総裁の会見がマーケットの地合いを悪化させる結果に。
「追加緩和の検討をしているわけではない」
このコメントが7月の追加緩和を期待していた欧米勢を疑心暗鬼にさせました。
もともと、今年に入ってからの海外勢は日本株を大幅に売り超しています。
ジョージ・ソロスやジム・オニールのように、アベノミクスに対する懐疑的な意見も増えてきており、今年に入ってからの日経平均の上昇には欧米勢は参加せず、日本勢が買いに回っています。
ただ先月から、日銀の追加緩和への期待が浸透し始め、アベノミクスの第2幕が始まるというシナリオも出てきていました。よって、海外勢も再びアベノミクスに興味が向き始めた矢先に、前述の黒田総裁のタカ派的なコメントで水を差された展開。
この黒田総裁のコメントを受け、米ドル/円は節目であった102.50円をあっさりブレイクし、一時101.55円まで下落しています。日経平均は1万4200円をうかがう展開。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
新年度入りして好転していた相場はあっさり元のレンジに回帰。
米ドル/円の今後のサポートは101.20円と100.74円。
■100.70円割れにストップ散見、抜けるとセンチメント悪化も
米ドル/円は101.00円レベルでは本邦からも、米ドルの買い遅れ組のまとまったビッド(買い指値)が出てきており、下げ渋ると想定されます。
(出所:米国FXCM)
ただ、株の軟調な動きが続き、仮に100.70円を割り込むと、そのレベルより下はストップロスが散見されると言われており、要注意です。
(出所:米国FXCM)
新年度入りで、活況を取り戻すと思われていた日本株と米ドル/円ですが、「ナスダック総合指数の急落」と「黒田総裁のタカ派的なコメント」という円高要因により、101-104円のレンジ圏の下限で推移しています。
今年に入って売買が拮抗している米ドル/円は101-104円のレンジに逆戻りした展開ですが、前述のレベルを割り込んでくるとセンチメントが一気に悪化するので要注意です。
米ドル/円の101.20円と100.74円での攻防に注目です。
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