■もみ合い相場では、ボラティリティ重視のファンドが躍動
2014年に入ってからの米ドル/円はラフに言って100円-105円。レンジ相場に落ち込んでおり、米ドル/円のボラティリティは急速に低下。
(出所:米国FXCM)
通常、米ドル/円が膠着している場合、ユーロや豪ドルなどでテーマがあり、そうした通貨ペアが活発に取引される傾向があります。
ヘッジファンドも明確なトレンドのある通貨ペアを選択し、トレードします。
ところが、最近はユーロ/米ドルもレンジ、豪ドルも急速な下落の後、反発して高値圏でのもみ合い。
(出所:米国FXCM)
こうしたもみ合い相場になると、通常のグローバル・マクロ(※1)のファンドは主要通貨に手を出さなくなります。
しかし、こうしたマーケットでも活発にトレードしているのが前回ご紹介したハイフリークエンシー・トレード(HFT)(※2)。
【参考記事】
●ナスダック急落の真相とは? 日経平均1万4000円は当局死守か。ドル/円上昇はいつ?(4月17日、西原宏一)
加えて、方向性よりボラティリティをとりにいくファンド。
(※1編集部注:「グローバル・マクロ」とは、多種多様な資産や市場においてさまざまな手法で運用するファンドの総称)
(※2編集部注:「ハイフリークエンシー・トレード(HFT)」とは、コンピューター・プログラムにより、超高速で売買を頻繁に繰り返す取引のこと。日本語では超高速取引、高頻度取引などと呼ばれる)
■レンジトレーディングも1つの方法、米ドル/円は押し目買い
為替市場が狭いレンジに入った場合でも、ボラティリティの高い通貨ペアというのは存在します。
たとえば、ユーロ/豪ドルや英ポンド/円といった通貨ペア。
(出所:米国FXCM)
(出所:米国FXCM)
このような通貨ペアは、方向性が明確でなくとも、300-500pips程度のレンジの中で激しく乱高下することが多く、そうした狭いレンジでの乱高下をとりにいくファンドが今年は収益を上げているようです。
個人投資家の方でも、時間軸をどんどん下げていけば、上記のようなトレードスタイルになります。
主要通貨でボラティリティが上がってくるまでは、前述のような通貨ペアでレンジトレーディングをするのが、こうした膠着相場を乗り切る1つの方法ではないかと考えています。
ただ、こうした膠着相場が続いた後は、往々にして明確なトレンドが発生することも多いことから、来週(4月28日~)のゴールデンウィークに向けて米ドル/円や、ユーロ/米ドルといった主要通貨ペアにボラティリティが戻ってくるのを期待したいところです。
底値のメドが立った米ドル/円については、ていねいな押し目買いの繰り返し。
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