アルゼンチンのデフォルトが予定通りに確定したのに関わらず、昨日のアジア時間では反応薄であった。まったく恐怖感やリスク回避の必要性を感じていないかのような状態だったのだろう。日本株の下げはあくまでも前日の米国株の下げにつれたものであり、下げ幅の不十分。そして為替相場でも円安のままだった。ドル円は102円台の後半で張り付いているし、ユーロ円も下がらなかった。
地政学的リスクでも何でもなかったので、いまさらわかりきった債務不履行くらいではわざわざポジションを変更する必要もないといった感じだ。たしかにアルゼンチンは2001年にデフォルトして、その後は国際マーケットからは締め出された格好になっていて、海外勢は新規のエクスポージャーを増加させてはいない。だからリスクは少ないのだという解釈も成り立つ。
欧州時間に入ると、そうした見方が誤っているのが判明した。欧州株が下げ幅を拡大。それに連れてグローベックスでの米国株も大幅安に。私はこれを見て、リスク回避が激しく起こるだろうと確信。速攻でユーロ円を137.66で売っていった。アジア時間にノンビリしていた分だけ、かなりの下げが期待できるかもしれない。先日の安値である136円台のミドルなんか素通りして、133円台あたりまで言ってもおかしくはない。後は株価の下げ具合だけだ。
先月に問題になったポルトガルのBES銀行の株価が半分になっているらしい。こうした欧州不安もリスクオフを加速させた。米国株がすでに大幅安になっているので、ニューヨーク序盤の経済指標はまったく無視された。そうした大きな変化が外部環境で見られているのに、ユーロ円の下げは137.50あたりまでだ。まったく言ってよいほど、落ちていない。相変わらず私のコスト近辺でウロウロしているのみ。たいへん持ち心地が悪いものがある。
米国株はグローベックスそのままで、前日比で大きく値を下げて始まった。それでも為替相場は動かなかった。22時45分のCAPMを期待でもいるのだろうか。米国債は昨日のGDPが良かったのを受けて下げ続けてのスタートだったが、米国株の状況を見て、完全に元のレベルまで押し返されている。つまり質への逃避だ。
しかしながら為替相場だけが鈍感なのは、まったく不自然案状態で放置されているのも同然にように見える。でも現実に動かないものはしかたがない。ユーロ円をそろそろ買い戻したくなってきた。もう同値でもいいといった感じだ。
景況指数は予想を下回った。それでもユーロ円の下げはスピードが出ない。やっと自分のコスト近辺まで下がってきて、ポジションをクローズできた。なんとも面白くないポジショニングであった。これだったら連日のユーロドルの下げで遊んだほうがよかった(涙)。
ニューヨーク時間では株価の下落は止まらなかった。戻しらしい戻りも作らずに、ストレートに下げた。久しぶりに素直な下げ方であった。それでも為替相場はリスク回避に引きづられなかった。ドル円は102円台の後半、ユーロ円も137円台の後半である。動かなかったのは残念だが、外部環境を考慮して、やはりまだショートで攻めていかないといけないのであろう。
さて今晩は雇用統計。先日のADPの民間調査では予想を下回ったこともあって、あまり良い数字が出なくても驚かないという状態になっている。就業者数は20万人の増加を下回って来ない限り、「悪い」といってマーケットが反応することはなさそうだ。昨日の大幅株安の後の、反発はあり得るのかどうかのほうが重視されることになりそうだ。
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