昨日はアジア時間で日本株が切り返したのもあって、ドル円は109円台まで戻してマーケットに安心感が流れた。これでまた上昇トレンドに乗っていくものかとも思われた。しかしさすがに雇用統計の後の110円目前まで買い進んだ直後でもあるので、上サイドにはロングのシコリも多い。しかるに逃げのオファーがたくさん待っているのも事実だ。
それがわかっている分だけ、ドル円の上値を積極的に追っていくのは危ないと思われる。日銀の結果がいつもより遅く出たが、これは日銀総裁が国会に出席していたためらしい。待ち疲れたのか、ドル円のほうが先にゆるんできた(笑)。
欧州序盤ではドル円は108円台のミドルまで後退。これはドイツの鉱工業生産の結果が悪かったためである。ドイツはユーロ圏の大部分を占める。そもそも欧州のスローダウンが懸念されているおり、ドイツのマイナス材料には敏感にならざるをえない。マーケットはリスク回避が鮮明となり、クロス円が主導して下げる。
これがドル円の下げをリードしたのだ。私も途中で何度かドル円のショートで参戦。少々、落ちては利食いで買い戻し。ストレートにドル円が落ちていかないため、小刻みになるのはまあ仕方がないところだ。下げては少し反発を繰り返しながら、ニューヨーク序盤ではドル円は108円台の前半まで下がってきた。
IMFが世界経済の成長見通しを下方修正したので、株価の下げが加速したのも大きい。リスク回避の動きが強まったのだ。ドル円は先週にちょっと割り込んだ108円ちょうどあたりに注目が集まる。しかし私が眠い目を無理やり見開いている間は、ぜーんぜん落ちない。米国株は徐々に下げ幅を拡大してきているというのにである…。
私は寝てしまったが、米国株は終盤に一段安をして大幅安になったようだ。ダドリー総裁が早期利上げに迎合するような発言をしたことで、企業負担が増えると心配されたのだろう。クロス円の下げに応じてドル円もついに107円台に突入。しかしアジア市場に戻ってくるころには、完全に108円台までもどしきった。やはり本邦勢は安ければ買ってくると思われているのだろう。
さて今晩はイベントが少ない。強いて言えば夜中の議事録があるが、利上げ時期に関してだれが何を議論したのかがわかっても、いまさら打つ手もないだろう。サプライジングなことはないのではないかと思う。むしろこのところ大幅に乱高下を繰り返している米国株の動向のほうが大事になってくる。ユーロ円も9月安値の135円台の後半が視野に入ってきている。これは今年の最安値のレベルである。
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