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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

衆院選までドル/円は116~121円のレンジ。
120円接近で口先介入が出やすい理由は?

2014年11月27日(木)18:13公開 (2014年11月27日(木)18:13更新)
西原宏一

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■豪ドル/米ドルは0.80ドルへ向けた動き濃厚

 ロウRBA副総裁のコメントで重要なことは、このコメントが出た豪ドル/米ドルのレベル。0.86ドル台という豪ドル/米ドルの安値圏でもまだ豪ドルが極めて高いとコメントしたことが、マーケット参加者に驚きをもたらしました。

豪ドル/米ドル 週足

(出所:米国FXCM

 ロウRBA副総裁から上記のようなコメントが発せられた背景は以下の2点。

(1)日銀のバズーカ2に加え、ECB(欧州中央銀行)も追加緩和を示唆するなど、米ドル以外の通貨で緩和スタンスが顕著であるため、これらの通貨に対して豪ドルが堅調に推移していること

(2)鉄鉱石をはじめ、資源価格が想定以上に軟調に推移しているため、0.86ドル台というレベルでも割高になってきたため

■中国利下げでも豪ドル/米ドルの上昇は一時的だった

 加えて、豪ドル/米ドル下落のもうひとつの要因は中国の利下げ。

 先週、11月21日(金)、中国が突然の利下げを発表し、一時、豪ドル/米ドルは急騰。ただ、中国の利下げを受けても豪ドル/米ドルの反発は一時的でした。

 そのため、マーケット参加者の豪ドル/米ドルに対する目線はさらに下がってきています。

 結果として、中国の利下げは豪ドル/米ドル下落のゲームチェンジャーとはならず、逆に上値が重いことを確認した流れに。

 また、今週(11月24日~)、大手米銀が2015年のベスト・ディレクショナル・トレード(Best Directional Trade)のひとつとして、豪ドル/米ドルのショートを推奨したこともマーケット参加者の視線を豪ドル/米ドルに集めるきっかけとなっています。

 鉄鉱石などの資源価格の低迷を横目に下落を再開した豪ドル/米ドルは0.8000ドルに向けて軟調に推移する可能性が濃厚

豪ドル/米ドル 日足

(出所:米国FXCM

 マーケット参加者の注目はバズーカ2の米ドル/円ですが、ロウRBA副総裁のコメントをきっかけに下落を再開させた豪ドル/米ドルの動向にも注目です。


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