昨日はアジア時間からドル円は120円台にステイしていて、これからさらに上値をうかがう勢いだった。そして欧州序盤ではドル円は190.30あたりまで上がってきたが、いきなりの急落を演じることとなった。日銀関係者の話として、追加の緩和は今の日本経済にとって良くはないということらしい。
こうした話はいくらでも出てくるのだが、たまたまタイミングが悪かったというべきであろう。半日以上も120円台にいて、それが不必要に高いコストのロングポジションを積み上げさせることになった。そうした短期的なポジションの偏りが、投げ売りを加速させただけだというべきであろう。
とにかく投げ売るのだから、どんなレートでも売らなければいけない。私も手を出したのはかなり遅れてだが、119円台の前半から売りこんでいくのも、あまり怖くはなかった。突っ込んで売っていくのだから、分が悪い。だから急激なショートカバーに備えてもいる。それで何度か売ってみては、すぐに買い戻す。最終的には瞬間的に突っ込んだ118円台でもショートにした。もちろん最後は買い戻しさせられて終わったが、短時間で十分にショートをエンジョイできた。
同じような時間にウクライナの停戦も報じられた。プーチン大統領が15日までに停戦することで合意したと発表したのだ。情勢の好転でマーケットはやがてリスクテークの相場展開になるだろう。そう考えると、ドル円のショートは慎むべき状態になってきたのを感じた。
ドル円は119円台のミドルを超えてきて、119円台の後半で止まった。ここまで来ると、昼間やっていた120円台まで、あとわずか。昼間からのシコリもほぐれることになる。ここまで戻ってきているのだから、短期的なショートポジションはすべてカットさせられている。問題はロングのシコリだ。
激しい値動きをした後なので、これ以降の動きは相対的に小さいものになるのかなと思っていた。ましてやドル円が底値から1円以上も反発してきているのだから、冷静になればやはり上方向に行きたがっているのかなとも思えるからだ。しかしアメリカの経済指標が出てみると、小売売上高も失業保険もともに悪い。しかもかなり悪い。
それがドル売り要因となって、ドル円は下げに転じた。119円ちょうどは割り込まなかったが、この下げにはちょっとビックリだった。これで120円台に戻ろうものならばと構えていた逃げのオファーが完全に失敗に終わったことになる。
ドル円は時間をかけてジワジワと下げ続け、欧州序盤につけた安値であった118.72を下回ってきた。私は寝てしまっていて見てはいなかったが、ドルは全面安になっている。ドル安なのはドル円だけではない。ユーロドルも1.14台まで上がってきているし、ポンドドルも1.54台など久しぶりのレベルである。
ギリシャの債務問題は、週明けの16日のEU財務相会議での対応がひとつのメドとなるようだ。それに向けてドイツとギリシャが妥協策を探っているという報道もある。今晩はミシガン大学くらいしかイベントがないので、このギリシャ問題に関する観測記事に踊らされることが多くなるだろう。
そして今ひとつの注目は米国株のレベルである。昨日の上げで米国株は再び歴史的な最高値に接近した。ここからは最大の売り圧力にさらされることになることを意味する。こうしたファンダメンタルズとテクニカルの両面から、今夜のマーケットをウオッチしなければいけない。
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