昨日の欧州序盤ではドル円は118.70あたり、ユーロドルは1.14台の前半であった。マーケットを囲んでいる環境は、ギリシャ問題、イスラム国、ロシア不安、東ウクライナと悪材料は大きなものばかりで、列挙にいとまがない。それなのに妙なバランスの上、為替相場が膠着状態に入っている感がある。ユーロドルもドル円もレンジ相場にスタックしてしまっている。見慣れてしまったせいもあり、為替レートが大きく急変するイメージがわかない。
ドイツがギリシャ救済の提案に反対の意向を表明。それでマーケットに波乱でも起こるのかと思えば、何も起こらなかった。私もニュースが出た後から何度かユーロドルを売ってみたりしたのだが、大きく下がることはなかった。端から端まで見ても50ポイントも落ちなかった。
市場としてはギリシャ問題ではパニックになるということはありえないと見ているのだろう。仮にこのままギリシャが債務不履行になっても、そこまでは織り込み済みなのかもしれない。だとしたらそれはすでにユーロ圏の問題ではなくて、ギリシャ固有の問題として捉えられているということでもある。
リスク性の高いものということで株価はどうかというと、ドイツ株は歴史的な最高値を更新してきている。もちろんユーロの量的緩和による要因が大きいのだろうが、ギリシャ問題をはらんでいても微動だにせず、値崩れしない。米国株も同様である。歴史的な高値圏に張り付いていて、原油価格が半分になろうともリスク許容度は大きなままである。
前日はアメリカの経済指標では悪いものは並んだが、昨日は逆で良いものが並んだ。ドル金利のほうも前日とは打って変わって、短期も長期も上昇した。それに伴って為替市場ではややドル買いが優勢となった。でもここ最近のレンジからははみ出さない。
今晩は経済指標が少ない。注目は欧州の財務相会議が緊急招集されていることだろう。果たしてどのような形でギリシャ政府と妥協を図るのか。マーケットは実に楽観的である。これが唯一のウィークポイントのように思われる。
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