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固定相場制(ペッグ制)が招いた悲劇!?
香港ドルなどの取扱い停止はなぜ増えた?

2015年04月06日(月)14:33公開 [2015年04月06日(月)14:33更新]

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■香港ドル/円の方が、より米ドル/円の動きと似ている!?

 一方、「カレンシーボード制」でドルペッグを採用している香港ドルでは、ユーロの状況はまったく関係ありません。だから、シンガポールドル/円よりも、香港ドル/円の方が、より米ドル/円の動きと似ているのではないでしょうか。

米ドル/円、シンガポールドル/円・香港ドル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:シンガポールドル/円 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:香港ドル/円 週足

 このように、通貨管理制度を知っておくと、各通貨の方向性を把握しやすく、トレードにも活かせそうですよ。

■バンド制やクローリングペッグ制と呼ばれる手法

 このほか、「管理変動相場制(管理フロート制)」に関連して紹介しておきたいのが、「バンド制」と「クローリングペッグ制」という通貨の管理手法。

 中国やシンガポールでも、為替レートに一定の許容変動幅を設けているという点では、一種の「バンド制」が採用されているとみることもできそうですので、「管理変動相場制(管理フロート制)」の手法の1つ、という位置づけなのかもしれませんが…。こういう手法もあるのか、ということでご認識いただければと思います。

 ちなみに、「クローリングペッグ制」については、かつてブラジルやコロンビアなどで採用されていた手法だそうですよ。

■通貨管理制度は変化したり、ミックスされたりしている

 ということで、ご紹介したとおり、さまざまな通貨管理制度がありますが、各国でずうーっと同じ制度が採用され続けるというワケではなく、その時々の経済事情に応じて、変化するのが通常です。

 たとえば、中国などは、その時々の事情に応じて、「固定相場制(ペッグ制)」と「管理変動相場制(管理フロート制)」を入れ替えながら通貨を管理しています。

 2008年のリーマンショック以降は、実質的に「固定相場制(ペッグ制)」状態でしたが、2010年に再び「管理変動相場制(管理フロート制)」へ移行され、2015年現在も同様の制度がとられていますよ。

米ドル/中国人民元 月足チャート

(CQG)

 2008年からの数年間は、ほぼ横一線のチャートが描かれているのがわかりますね…。

 このほか、さまざまな手法を組み合わせて通貨を管理しているケースもあったり、謳っている制度と実際上の制度には、若干のギャップがあるんじゃないの? という状況もしばしば…。

 また、「自由変動相場制(フロート制)」が採用されている国でも、何かあれば当局による為替介入が実施されるワケで、完全に放置するというワケではありません。

 そういう意味で、「この国の通貨は、この通貨管理制度」と、すべての国について完全に分類するのは、ちょっと難しいのかなぁというのが、正直な感想です…。

■ユーロ/スイスフランは1.2フラン水準でペッグしていた

 さて、「完全に分類するのは難しい」とは言いつつ、ここまで世界の通貨管理体制についてざっとお伝えし、概要は押さえていただけたかと思いますので、次に進みたいと思います。

 では、いったいなぜ、「固定相場制(ペッグ制)」、あるいは「管理変動相場制(管理フロート制)」の通貨、シンガポールドルや香港ドルについて、FXCMジャパン証券外為どっとコム[外貨ネクストネオ]YJFX![C-NEX]は、取扱いを停止したのでしょうか?

 理由は、2015年1月に起きたスイスショックを振り返ることで明らかになりそうです。

 スイスフランの場合は、2011年9月に、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])が「ユーロペッグ制(ユーロとの為替レートを固定する制度)」を導入。その内容は、スイスフランの対ユーロでの下限レートを1.2フラン水準までに食い止めるというものでした。

【参考記事】
為替介入で大暴落したスイスフラン! 大損失を被った個人トレーダーも!?

 これは、上限レートに制限はなく、下限レートに対してのみ行われた限定的なペッグでしたが、SNBは、ユーロ/スイスフランが1.2フラン水準に近づくと、無制限に為替介入(ユーロ買い・スイスフラン売り)するゾ! と宣言。その甲斐あって、実際、2011年9月以降、ユーロ/スイスフランは、おおむね安定して1.2フラン水準より上で推移していました。

ユーロ/スイスフラン 月足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 月足

 ところが、2014年後半にかけては、かねてからのユーロ圏全体の信用不安に加え、ECB(欧州中央銀行)をはじめ欧州各国による金融緩和やロシア・ウクライナ情勢への懸念などから、リスク回避先通貨としてスイスフランの需要が高まり、スイスフランが買われやすい状況に…。

 さらに、ECBが半ば容認するような恰好で、マーケット全体でユーロ安が進む中、ユーロ/スイスフランも、少しずつ1.2フラン水準に近づいていました。

 当時は、ユーロ/スイスフランが1.2フラン水準に近づいている…。SNBは、またユーロ買い・スイスフラン売りの為替介入を行うのか!? と、その動向が注目されていましたね。

【参考記事】
スイス中銀の防衛ライン1.2フランに超接近! ユーロ/スイスフランはなぜ下落している?
【警戒】スイス中銀の防衛ラインに接近! ユーロ/スイスフランを取引できる口座は?

 そして迎えた2015年1月15日(木)…

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