外国為替市場を震撼させた“1.15スイスショック”。
2015年1月15日(木)、日本時間の18時30分ごろ、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])はユーロ/スイスフランにおける1.20フランという防衛ラインを突如撤廃。この結果、わずか20分という短時間のうちにユーロ/スイスフランという通貨ペアは約3800pipsという、とてつもない大暴落を巻き起こした。
【参考記事】
●ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落! スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 5分足)
SNBが引き起こしたこの“大事件”は一夜にして英国の大手FX会社(アルパリ(UK) Limited)を破綻に追い込むまでの騒ぎとなった。
【参考記事】
●ついに破綻も! スイス中銀の爆弾発言は欧米のFX会社にどう影響したのか?(広瀬隆雄)
外国為替市場の歴史に残るであろうこの“大事件”が起こった瞬間、インターバンク市場はいったいどんな状況だったのだろうか?
ザイFX!では国内の金融機関に勤める現役為替ディーラーにスイスショックが起きた瞬間の状況を聞くことができた。今回はその模様をお届けしよう。
■騒然となったディーリングルーム
酒田譲司氏(仮名)は長年、為替のインターバンクディーラーを務めてきた。普段、スイスフランのトレードをすることもあるが、それはたまにだけということだ。
そんな酒田氏が語る“スイスショック”の瞬間とは…
「最初は何が起こっているのか、わかりませんでした。そのうち、SNBがフロア(対ユーロでのスイスフラン高の上限)を撤廃したというニュースが流れたんです。
ディーリングルームは騒然となりました。お客さんからの照会の電話も数多くかかってきましたね。
自分はこのとき、米ドル/円のロングを持っていたんですが、そのトレードはいったんやめました」
■ユーロ/スイスフランはプライスがない赤い表示状態に
「現在、トレードはEBSをメインに使って行っています。そして、EBSはプライスが立っていないと表示が赤くなるんです。
ユーロ/スイスフランは1.20フランを割れてから、この赤い表示の状態が続きました。
そんななか、ときどきゲリラ的に売り注文が入ることはあるんですが、買い注文は入らず、約定しません。そうすると、その売り注文のプライスがどんどん下がっていくという状況になっていったんです」
EBSとはエレクトロニック・ブローキング・システム(電子ブローキング・システム)の略で、外国為替の電子取引端末の1つ。酒田氏によると、「外国為替のインターバンク市場におけるEBSのシェアは非常に高く、これがインターバンク市場そのものと言っていい」という。
【EBSに関する参考記事】
●YEN蔵さんに聞く為替ディーラーの世界(2) 凄まじき仲値の攻防。米屋が出てるぞ~!?
このEBSには人が手動で入力した注文だけでなく…
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