政権発足以来の与党過半数割れで、トルコリラ急落
2015年6月7日(日)に実施されたトルコ総選挙で、与党・公正発展党(AK党)が過半数の議席を取れなかったことを受けて、6月8日(月)の為替市場ではトルコリラが急落した。
トルコリラ/円は、先週末(6月5日)は、47.20円近辺で取引を終えていたが、週末の総選挙の結果を受けて、週明けの為替市場では、大きく窓を開け、一時、45.40円まで、1.80円、3.8%も急落した。
3.8%の急落ということは、米ドル/円にたとえると、6月5日(金)につけた高値125.80円台から121.00円近辺まで、一気に5円近く急落したということになる。
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全559議席のうち、今回、与党・公正発展党が確保したのは259議席。得票率は41%に留まり、単独政権樹立に必要な過半数には届かなかった。
選挙前の世論調査などでは、与党・公正発展党が過半数の議席を確保する公算が高いとの見通しが出ていたことから、選挙結果を受けて政治的不透明感が高まり、トルコリラは急落したようだ。
ちなみに、与党・公正発展党が過半数割れとなるのは、2002年の政権発足以来、初めてとなる。
権限強化を狙ったエルドアン大統領に国民が「ノー」
また、エルドアン大統領は、大統領の権限強化に向け、憲法改正を目指し、その是非を問う国民投票実施に必要な330議席の確保を目指していたが、トルコ国民は大統領に権限が集中することにノーを突きつけた格好だ。
なお、野党では、共和人民党(CH党)が25%、民族主義行動党(MH党)が16.5%の得票率となったほか、少数民族クルド人系の政党、人民民主党(HDP)が13%となった。トルコでは選挙で議席を獲得するためには、得票率で10%以上を確保するという制限ラインが設けられているが、人民民主党はそれ以上の得票率を確保して、躍進した。
この選挙結果を受けて、与党・公正発展党は連立政権の樹立を目指すことになるが、連立の可能性が一番高いとされる、民族主義行動党との連立政権樹立について、公正発展党から、その可能性は低いとの声も出ているようだ。
トルコの政局不安がトルコリラの重しになってきそう状況となっている。
トルコリラ/円は再び下落トレンドに逆戻りか?
トルコリラ/円の直近の動きも見ておこう。
【参考記事】
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トルコリラ円は、2015年に入ってから、トルコ中銀の2回の政策金利引き下げもあって下落トレンドが続いていた。その後、2015年4月27日(月)に底打ちした後は反発に転じていたが、今回のトルコ総選挙の結果を受けて、再び反落した格好だ。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 日足)
相場の大底を示すチャートパターンの1つである「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」(※)を形成して、下落トレンドが底を打ったように見えているトルコリラ/円だったが、再び下落トレンドに逆戻りしてしまうのだろうか?
もしくはこれは押し目買いのチャンスなのだろうか?
(※編集部注:「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」とはチャートのパターンの1つで、大底を示す典型的な形とされている。日本語では逆三尊とも呼ばれる。また、「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」の逆で、天井を示す典型的な形が「ヘッド&ショルダーズ」(三尊))
FX会社でトルコリラ戦争が勃発!
なお、2015年5月にFXの取引所取引くりっく365へトルコリラ/円が上場されたことをきっかけに、現在、一部のFX会社で、トルコリラ/円のスペック競争が勃発している。
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【参考記事】
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●「くりっく365」にトルコリラ/円が新規上場!スワップ、スプレッドが驚きの業界トップ水準
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(ザイFX!編集部・庄司正高)
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加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)