昨日は欧州序盤でドル円は123円台の前半。ギリシャ問題が合意を見せたことで、マーケットにはリスク許容度が増大している。だからドル円やユーロ円は値の戻しが強くて、なかなかディップがない。私もドル買いのための押し目待ちをしているが、なかなかうまく拾えないでいた。
いよいよイランの核協議が大詰めを迎えて、欧州時間の早いうちから妥結は近いという報道が流れていた。そして実際に合意をみたようだ。結論を得るのに延長に延長を重ねた協議であっただけに、こちらもギリシャ問題と同じく、何がしらの合意位至るのだろうというコンセンサスもできていたので、マーケット全体には大きなサプライズとはなりえなかった。
ドル円もユーロドルも20ポイントほどしか動かなかったので、通常の相場と何の変りもない。注目すべきは原油相場だったが、こちらも50ドル割れを目指す動きをしていたのに、下攻めはなくなった。石油の需給が緩むのではないかと思われていた。
しかし原油価格が下落しなかったことで反発は激しいものとなった。リスク性の高いものの値上がりはリスクテークを引き起こしやすい。欧州株もグローベックスでの米国株も上昇が目立ってきて、ドル円、ユーロ円ともに堅調さを増してきた。
一方で米企業決算はたけなわである。大手金融機関の決算が良くて株価は持ち上がったが、その後のマクロ指標である小売売上高が予想を下回った。それが米ドル金利の低下をもたらし、利上げ時期の後退が見込まれることとなった。為替相場はドル安に向かったが、ドル円もユーロドルも40~50ポイントほどのドル安。私もようやくドル買いをすることができた。
だがファンダメンタルズの悪化を示した直後なので、ドルロングは持ち心地が良くない。123.05で買ったのだが、すぐ近くの122.85でストップ注文を置いておいた。すぐにドルは反発したが、ドル円もユーロドルもほとんど動かなくなってしまった。私は眠くなってきたので、123.30で利食いして取引を終了。
さて今日は経済イベントがたくさんある。中国のGDPはプラス7.0%となって予想を上回ったが、市場の反応は薄いものだった。海外市場での注目点はギリシャ議会での法案可決が成るかどうかと、イエレン議長のスピーチだろう。とくにギリシャは緊縮策の法制化を求められているので、かなりの困難が予想される。
議会の与党側にも反対意見を通している人がいるようで、まとまるのには時間がかかるかもしれない。それがリスクオフを誘う可能性は高い。今晩に限ってはドル円の戻り売りがよいのではないのか。昨日の高値である123.72をバックにして。
日本時間 16時00分
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