昨日の欧州序盤では、ドル円は120円台に乗せて始まった。アジア時間では日本株が上昇するなど、リスクテークが進んだからである。そもそも日銀短観が悪かったのだが、それがかえって追加緩和を促すことにつながって、円も売られたという図式である。
その期待の表れである株価上昇がおさまらないと、ドル円のショート攻めは厳しい。それはロングの場合も同様であって、株価上昇が続いていないと期待感の証拠がなくなってしまう。どちらにしても海外市場にシフトしても、動向を注視すべきは株価の行方である。
ニューヨーク序盤にかけてはグローベックスで取引されている米国株は下げに転じた。それを機にドル円も下落。120円台を割り込んできて、119円台の中盤へ。こうなるとドル円を買うわけにもいかない。
つまるところドル円はここ最近のコアレンジである119円台と120円台の間を行ったり来たりを繰り返しているだけだ。たぶん、このまま下がっても、また119円台の前半で止まることになるのだろう。
アメリカの経済指標は良くないものが並んだが、それ自体には反応が薄かった。しばらくはリスクオフの状態が続いたが、ニューヨーク時間の午後に出た国内自動車の販売台数がたいへん良かったので、それで米国株は切り返すことになった。
そしてドル円もまた上がってきて、119円台の後半へ。まったくつまらないレンジ相場となってしまっている。早くも雇用統計に向けての様子見の姿勢が強まっているといえる。
さてその雇用統計だが、事前の予想では就業者数は20万人の増加となっている。先日のADPの民間調査でも悪くない結果が出ているし、今回の雇用統計では失望になる可能性は低いものと見込まれている。
20万人を大きく超えてくれば、それは年内利上げに直結し、素直にドル買いを導くことになるだろう。だが金利上昇を嫌って株価が下がってくるようだと、リスク回避からドル円などは下げに転じることになる。
だからファーストアクションでドル円を買ってみて、30分ほど経った段階で米国株の値保ちが悪ければそこでショート転してみる。反対に予想以下であれば、これは最初から素直にドル売りで臨むだけでよいだろう。118円台を目指す展開を期待する。
日本時間 15時30分
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