先週の金曜日は、ドル円の軟化が顕著になった。アジア時間の早々にドル円は113円の大台割れ。112円台で下向きに走ることはなかったが、どこまでなのか、安値模索の状況が続いた。しかし存外に底値は浅くて、112.75あたりまで。長い時間にわたって安値張り付きしていたせいで、ショートポジションもたまったのであろう。
すぐにショートカバーが入った。ドル円は113円台に戻してきた。今度はどこまで上値が望めるのかを確かめるステージに入った。114円台からの切り返しだから、相当に相場も傷んでいる。その逃げのオファーをこなして、どこまで上がれるのかを見極めるのだ。
私もここでちょっとドル円を買ってみたりしたが、ぜーんぜんワークせず。ほんの数ポイントだが、2回も損切が続いて、ちょっとやる気をなくす。すると今度はドル円が下がってきた。上値、つまり113円台にはかなりの売りインタレストが残っていたのだろう。何よりも週の初めからクロス円が安い。売り圧力が高まっているのである。それがドル円の下げプレッシャーにも関わっている。
ドル円はアメリカの経済指標が出た瞬間に113.20くらいまでジャンプしたが、そこまで。やはり上値が重い。クロス円の売りが断続的に出ているせいか、ドル円が下がる過程でも、ユーロドルが上がることは少ない。それが徐々にユーロ円などのクロス円のレートを切り下げているのだ。
ユーロ円の日足のチャートで見ても、やはりダウントレンドといってよいものが形成されているのがわかる。ここ半年分の値動きでも、やはり上値抵抗線をきれいに形成しており、しばらくは超えられそうにもない。
今となってはレジスタンスの位置が130円くらいにあるので、ちょっと遠くなってしまっている。そして先週末に125円台の前半まで差し込んで、それが昨年来の安値を更新ということだ。しかも週足で見ても、ほぼ安値引けだ。
今週の動きがたいへん注目される。テクニカルの要請ではこのまま安値圏にステイするか、もしくは下げが加速して115円くらいまで下がってもおかしくはないところだ。ユーロ円が10円下がるとしたら、ドル円が下がるのか、それともユーロドルが下がるのか。
これは誠に興味深いことである。とりあえず今日の東京市場では、いつものごとく日本勢の株買い意欲からユーロ円も125円台ミドルまで持ち上がった。しかし現在のマーケットの基調になっているリスクオフの観点からも、ドル円が下がるのがナチュラルだと感じられるのだが…。
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