■2016年はアナリスト受難の年!
2016年は多くのアナリストやストラテジストにとって受難の年となり、またウォール街に限らず、金融業界に身を置くいわゆるプロたちが自信を喪失している年でもあろう。
何しろ、あの天下のゴールドマンサックスの2016年ベストストラテジー(計6つ)が、たった6週間足らずで全滅し、日本株を含め、多くのアナリストが一生懸命書いていた「2016フォーカス」といった年間予想も2カ月たらずで紙くずとなったほどだ。
(出所:株マップ.com)
あまりの衝撃なのか、先日、あるアナリストの「自虐レポート」がウォール街で話題を呼んでいた。
このアナリストはモルガンスタンレーのシニア・ストラテジスト、パーカー氏。彼はわざわざレポートを出し、「これからは株のPERなどは予想不可能で、自分たちのアドバイスの逆を張れば儲かるかもしれない」とクライアントにアドバイスをしたのだ。
もちろん、氏が率いるアナリストチームが出したレポートが大きくはずれた結果を受けた反省に基づく話だが、なんと正直な!と大いに受けたわけだ。
対照的に、ここ日本では、日本株急落や円の急騰で見方がはずれたセンセイたちが言い訳したり、逆切れしたりという光景がよく見られるから、同じアナリストの立場でも、これだけ違うのかと感服するばかりである。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■アナリストの予想はなぜこんなにもはずれるのか?
さて、問題はアナリスト個人の資質や素直さではなく、アナリストたちの予想が、なぜこんなにもはずれるのかにある。
原因の1つは、前回のコラムにて指摘したように、世界主要中央銀行の思惑と逆に行っている相場に、従来のロジックが通用しなくなっていることが挙げられる。
【参考記事】
●2016年は「中銀の裏に道あり、花の山」。為替は中央銀行の思惑と逆に動く!(2016年2月19日、陳満咲杜)
もう1つは、やはり、グローバルな金融市場が大きな転換点に位置しているため、普段必ずしも必要とされないほど大きな、マクロ的な視点が必要になってきているからではないかと思う。
換言すれば、従来のロジックや従来のアナリシスが従来の相場に通用したようには現在の相場には通用しないし、また、通用しなくなってきたからその反動も大きく、また、総じてその反動がオーバーしがちであるということだ。
従来のロジックと従来のアナリシスで相場を張ってきた方が多かったので、通用しないとわかれば皆が一斉に手仕舞うから、反動も大きくなったわけだ。ゆえに、偉いアナリストほど、見方がはずれるわけだ。
とはいえ、はずれて言い訳するのは…
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