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BOJ Officials Saidの謎:ブルームバーグの
英文タイトルはあとから改変されていた!?

2016年05月16日(月)13:30公開 (2016年05月16日(月)13:30更新)
ザイFX!編集部

今井雅人は資金5倍トレード達成!米ドル/円の攻めトレードが成功したのには理由があった!

■あとからbe動詞を挿入して改変することが以前も…

 もちろん、ウェブメディアでは、記事タイトルや本文の誤字などを公開後に更新することは珍しくないことだろう。当サイト「ザイFX!」でもそのようなことはある。ブルームバーグのサイトでは、わざわざ更新日時を明示しているぐらいだ。

 いったん公開したタイトルを改変することが一律に悪いわけではない。

 しかし、今回のケースでは故意に「BOJ Officials Said…」と煽情的なタイトルをつけておいて、あとで記事作成過程の実態に近づけるために、タイトルを微妙に変えたということはないだろうか。

 それはうがった見方すぎるだろうか。

 単なるケアレスミスを修正しただけなのだろうか。

 実はこのような修正は今回が初めてではないと思われる。以前もまったく同じような修正が行われていたと思われるのだ。

 それは本シリーズ記事の前々回で取り上げた、2015年2月12日公開の「日銀の追加緩和は逆効果、10月緩和は消費者マインドに悪影響」という日高記者の記事である。

【参考記事】
反黒田派!? 日高正裕記者の記事は日銀がリークしたものだったのか?

2015年2月12日に公開されたブルームバーグ・日高正裕記者の記事(日本語版)
2015年2月12日に公開されたブルームバーグ・日高正裕記者の記事(日本語版)

 この記事の英語版タイトルは現在、「BOJ Is Said to See Extra Stimulus Counterproductive for Now」となっている。

2015年2月12日に公開されたブルームバーグ・日高正裕記者の記事(英語版)
2015年2月12日に公開されたブルームバーグ・日高正裕記者の記事(英語版)

 しかし、長くなるので詳細は省くが、いくつかの証拠から、このタイトルには当初「Is」が入っておらず、さらに「any」も入っており、「BOJ Said to See any Extra Stimulus Counterproductive for Now」となっていたのではないかと思われるのだ。

「Is」が入っていない元のタイトルが残されていると思われる例
「Is」が入っていない元のタイトルが残されていると思われる例

海外FXフォーラム「Forex Factory」に残されていたもの。「BOJ Said to See any Extra Stimulus Counterproductive for Now」と書かれており、「Is」が入っていない。さらに「any」が入っている。

 当初のタイトルは「BOJ Said…」(日銀は言った)と非常にダイレクトな表現となっていたのである。

 日高記者の記事では、いったん公開した記事タイトルに、あとからbe動詞をつけ加えて改変するということがどうも複数回行われているようなのだ。

 長々と英文についてあれこれ詮索し、「ザイFX!」としては異例の内容の記事になってしまった。

 しかし、たかがbe動詞1つと思わないでほしい。その有無によって、米ドル/円相場の動きは結構違ったものになった可能性があるし、be動詞1つの有無は故意に操作されたものであった可能性があるのだ。

★謎4:日銀は貸し出しへのマイナス金利適用を検討していなかったのか?

 4月28日(木)の記者会見で黒田日銀総裁は、金融政策決定会合では貸出金利をマイナスにする議論はしなかったと明確に否定した。

 こうなると、日銀は貸出金利をマイナスにすることなど検討はしていなかったという感じがしてくる。

 では、日高記者はまったく根拠のない飛ばし記事を書いたのだろうか?

 ここまでの本シリーズ記事の流れからすると、意外に思われるかもしれないが、これについて筆者は、複数の金融市場関係者から「そうではなく、日銀が貸出金利をマイナスにすることを検討していた可能性はある」との見解を聞いた。

 黒田総裁は会見で何を否定したのだろう。

 もう一度、この件に関する黒田総裁の発言を振り返ってみよう。その要旨は以下のようなものだった。

(1)今回の決定会合ではそのようなことは議論していない。

(2)現時点では日銀はそのようなことを考えていない。

 まず、(1)については単純に確定的な事実なのだろう。

 問題は(2)の方だ。

 単純に読めば、「日銀は貸出金利のマイナス化を検討していない」とも解釈できるが、たとえば、「日高記者の記事が出る前の時点では検討していたけれども、日高記者の記事が出たあと、検討するのをやめた」としても、「現時点では日銀はそのようなことを考えていない」という発言はウソではないことになるように思える。

記者会見で記者たちの質問に答える黒田日銀総裁

4月28日(木)、金融政策決定会合後に記者会見に臨む黒田日銀総裁。このときは決定会合ではマイナス金利での貸し出しについて議論していない、と否定した。 写真:AFP=時事

本シリーズ記事の前々回で紹介したように、複数のエコノミストが貸出金利をマイナスにする政策についてレポートしているし、現にECB(欧州中央銀行)は同じようなことをすでにやっているし、黒田総裁発言のとおり、そのことを日銀も承知しているのだ。

【参考記事】
反黒田派!? 日高正裕記者の記事は日銀がリークしたものだったのか?

 日銀金融政策決定会合に出席する日銀総裁、副総裁、審議委員以外にも当然ながら、日銀にはたくさんの職員がいて、そういった人たちも日銀関係者(BOJ officials)に該当するだろう。そして、そういった人たちのなかに貸出金利のマイナス化を検討の俎上に載せていた人がいたとしても不思議ではない。もっと言えば、検討していた可能性はかなり高いのではないだろうか。

 黒田総裁は今回、せめて「検討はしていた」と言っておいた方が良かったというような意見も市場ではあるようだが、“サプライズ”を重視してきた黒田総裁である。今はそういうことを隠しておきたいと考えることは十分あり得るのではないだろうか。

 日高記者の記事がどのような情報源により、どのような道筋をたどって書かれたものなのか、ウワサ以上のものは筆者の耳に入ってきていない(本記事でもそういったこと、すべてについて書いているわけではない)。

 とはいえ結局、今回、日銀が追加緩和をやらなかったからといって、それをもって日高記者の記事内容を完全に根も葉もないことと、一概に切り捨てるわけにもいかないようなのである。


 ここまで、全4回シリーズでブルームバーグ・日高正裕記者の記事「日銀:金融機関への貸し出しにもマイナス金利を検討-関係者」について、あれこれと考察してきたが、結局、日高記者の記事は日銀によるリークによるものでもなければ、完全な飛ばしでもないということではないだろうか?(これはあくまで筆者の推測だが…)

 しかし、英文タイトルの改変のことなど、日高記者の記事には一癖も二癖もあることはわかってきた。「ザイFX!」の読者であり、個人トレーダーであるみなさんが今後、日高記者の記事を読んで相場に臨む際は、その点をしっかり意識しておくことをおすすめしておきたい。


 本記事シリーズの作成にあたっては、さまざまな金融市場関係者の方々にご協力をいただきました。この場を借りて、御礼申し上げます。

(取材・文/ザイFX!編集長・井口稔 取材協力/ザイFX!編集部・庄司正高)

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