■ザイFX!がフィスコNYに取材を敢行!
2016年4月21日(木)より、ザイFX!のニュースコンテンツに、金融情報ベンダーとして有名なフィスコがニュース配信元に加わっている。
フィスコのニュースがザイFX!に配信される本数は、多いときで1日80本以上。本日のスケジュールから週間見通しまで、FXトレードに必要な情報を1日24時間ほぼリアルタイムで配信している。
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実は、フィスコでは、ニューヨークにニュース配信業務などを行う「フィスコNY」がある。つまり、ニューヨーク時間にフィスコから配信されているニュースの多くが、ニューヨークから発信されたものなのだ。
ただ、フィスコNYはニューヨークのどこにあって、どのくらいの人が働いていて、どのような業務をしているのか……などナゾも多い。こうした情報はフィスコの公式ウェブサイトにもほとんど掲載されていない。
それではと、ザイFX!編集部では、フィスコNYへの取材を敢行した。
■NY・マンハッタンのど真ん中にあるフィスコNY
ニューヨークまでひとっ飛びして突撃取材……とはさすがにいかないので、東京とニューヨークをスカイプでつないで取材した。
取材を受けてくれたのは、フィスコNYでニュース配信などを担当している、アナリストの平松京子さんだ。
現在は、フィスコNYで情報配信業務を行っている平松さんだが、これまでどんなキャリアを経てきたのだろうか?
「元々は外資系銀行で為替業務に携わり、為替やオプションのトレーディングなど、いわゆる『ディーラー』をしていました。
ニューヨークには1996年ぐらいから住んでいて、邦銀のニューヨーク支店に勤めていたこともありました。フィスコには2004年末に入社しましたね」
平松さんといえば、テレビ東京の「ニュースモーニングサテライト」や日経CNBCの「夜エクスプレス」にも出演しているので、ご存知の人もいるかもしれないが、実は、外資系銀行出身の元ディーラーだったのだ。
では、フィスコNYはどこにあるのだろう? やっぱりウォールストリート?
「フィスコNYはニューヨークのマンハッタン島の中央(ミッドタウン)にあって、ブロードウェイのショーなどをやっているシアター街、タイムズスクウェアの中心にあります。
観光客が非常に多い地域ですが、向かいにはモルガンスタンレー、その隣にはバークレイズといった米国や英国の大手銀行もあります。フィスコNYは金融機関にも囲まれているし、観光客も多い地域の一番賑やかな場所にあるということになりますね」
金融機関に囲まれていて、観光客がたくさんいる……なかなか想像しにくい情景だが、東京でたとえるなら、金融機関が立ち並ぶ大手町と観光客が多い浅草を合わせたような感じになるのだろうか。
■米同時多発テロ後はガスマスクを着けて出勤していたことも
ニューヨークで金融街というと、ウォールストリートをイメージする人が多いかもしれないが、フィスコNYの所在地はダウンタウンにあるウォールストリートではなく、ミッドタウンのタイムズスクウェアだった。
実は近年、ウォールストリートからミッドタウンへオフィスを移した金融機関などの企業が多いのだそうだ。ウォールストリートは2001年9月11日の米同時多発テロによって倒壊したワールドトレードセンターの近くだったため、このような動きが起こっているという。
「当時、ウォール街の近くの会社に勤めていましたが、米同時多発テロでワールドトレードセンターが倒壊したあとも粉塵が周囲を覆い続けていたため、ガスマスクを着けて出勤していました」
ガスマスクを着けて出勤なんてまったく想像もつかない。でも、当時、ニュース番組などで流されるワールドトレードセンターの崩壊の映像はかなり恐ろしいものだった…。現地にいる人は、誰もが生きるか死ぬかの危機的な状況に陥っていたに違いない。
■フィスコNYはあのリーマンブラザーズのビルのすぐ近く
また、平松さんの話の中に出てきたバークレイズが入っているビルは、2008年まではあのリーマンブラザーズがあった場所だったりもする。
2008年当時、日本でもニュース番組などで、ダンボール箱を持ってオフィスを出てくるリーマンブラザーズの従業員の姿がたびたび報じられていたが、その現場がまさにこの場所なのだ。
■実はホリコ・キャピタル・マネジメントの一角にあった
そんな、ニューヨークのマンハッタン島の中心にあるフィスコNYだが、ファンドマネージャーとして有名な堀古英司さんが最高運用責任者を務めるホリコ・キャピタル・マネジメントのオフィスの一角にあるそうだ。
堀古さんといえば、有名なファンドマネージャーで、テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」や「ワールドビジネスサテライト」など、数多くのメディアに出演している金融のプロフェッショナル。
さらに、ホリコ・キャピタル・マネジメントの公式サイトのプロフィールを見ると、堀古さんは東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)の為替資金部で「ドル・円」を担当していたとある。
つまり、為替のインターバンク市場の最前線で売買する、バリバリのディーラーでもあったのだ。ファンドマネージャーに加えて為替ディーラーの経験もあったなんて……これはちょっと意外だった。
そんなプロ中のプロが近くにいる環境から配信されている情報って……これは興味が湧かないはずがない。
■同じ情報でも日本と米国ではとらえ方が違うことも
「フィスコNYで働いているのは、私ひとりです。基本的に米国時間に発表される経済指標や金融政策、当局の発言など、金融市場を動かすような政治イベントなどの情報をリアルタイムで配信しています。
そういった情報を受けた市場の反応や、各金融機関のエコノミストやストラテジスト、さらにはヘッジファンドマネージャーの分析や見解などを、可能な限り紹介しています。
また、同じ情報でも日本と現地(米国)ではとらえ方が違うので、こうした違いを読者のみなさんに理解してもらって、トレードに役立てていただけたらと思っています」
いくつものモニターが並ぶ平松さんのデスク。ここから米国時間に起きたニュースをリアルタイムで配信している
ニューヨークからもリアルタイムで配信しているフィスコのニュースだが、こちらはザイFX!以外にも、各FX会社に配信しているほか、ロイターやブルームバーグといった通信社の専用端末でも配信されている。
■為替ディーラー時代のネットワークをフル活用した取材
そして、冒頭でも少し紹介したように、平松さんはテレビ東京や日経CNBCに出演しているほか、市場関係者への取材も日々こなしている。
「メディアへの出演については、テレビ東京の『ニュースモーニングサテライト』と日経CNBCの『夜エクスプレス』に出演しています。
どちらも電話で1分~5分程度出演して、ニューヨークから為替概況を伝えています。
取材については、外資系銀行やヘッジファンドの人にすることが多いですね。過去にイギリスの銀行の日本支社に勤めていたことがあって、その時に構築したネットワークから情報を得ています」
為替のインターバンク市場の最前線でトレードしていただけあって、そのネットワークの広さもさすがの一言だ。
「取材方法で一番多いのは電話で、相場が大きく動いているときなどはメールやSNSなども活用しています。
今は、SNSでもいろいろな人が情報を流してくれているので、Twitterなどで情報を集めることもありますね」
ニューヨーク・マンハッタンにあるフィスコNYでホットな情報を配信している平松さん。続いては、米国大統領選挙の行方をメインに為替相場の動きについて聞いてみよう。
【参考コンテンツ】
●為替の取れたてニュース
(「フィスコNY・平松京子さんに聞く(2) トランプ大統領誕生なら米ドルは上がる?」へつづく)
(取材・文/ザイFX!編集部・庄司正高)
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