■週末のG20では「上海合意」の破棄も
おやっ?と思ったのは金の動き。ジャクソンホールで米ドルが買われたわりに、金はさほど落ちていません。
米ドルと金は逆相関が基本ですから、本当ならもっと落ちていいはずですが……。

(出所:CQG)
一方で原油は、9月下旬に開催されるOPEC(石油輸出国機構)の非公式会合を控え、増産凍結への期待が高まって底堅い動き。

(出所:CQG)
ブレント原油では期先と期近のサヤがつまってきました。これをもって供給過剰の解消、需給のバランスが近づいているのでは…との観測も出てきています。
イベントでいえば週末に中国・杭州で開催されるG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)。
コラム「ヘッジファンドの思惑」で何度もお伝えしたとおり、2月の上海G20では米ドル高を修正し、米ドル安へ誘導させる「上海合意」があったとのウワサが流れました。
【参考記事】
●安倍首相が米国に「介入しない」と宣言!? 上海合意で、米ドル/円は100円も視野に!(4月7日、西原宏一)
●上海合意で「株高・資源高・米ドル安」が進行中だが今後の狙いはユーロ/円の上昇(4月21日、西原宏一)
その後の値動きを見る限り、上海合意はあったのでしょう。しかし、半年続いた上海合意ですが、そろそろ破棄されてもおかしくない時期なので要注意ですね。
■豪ドル/米ドルのショートを基本戦略に
今年(2016年)は米ドル安が続いていましたが、ジャクソンホールがゲーム・チェンジャーとなるのかもしれませんね。それを見極めていく1週間になりそう。
戦略としては米ドル買いですが、相手通貨は円ではなく、豪ドルを選びたいと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
米金利上昇で資源国通貨は売られやすくなりますし、米金利上昇や上海合意の破棄で株安となれば、株価のプロキシー(代替)である豪ドルが売られやすい。
米金利上昇がダブルで効いてきますし、さらにG20では中国による過剰な鉄鋼生産の抑制が議題にのぼる可能性もある。
鉄鉱石価格と相関性の高い豪ドルにとってはマイナス材料です。これだけの背景がありますから、今週(8月29日~)は豪ドル/米ドルの売りを基本にしていきたいと思います。
(構成/ミドルマン・高城泰)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」では、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、メルマガや購読者限定ウェブサイトにてご覧いただけます。
また「トレード戦略指令!」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)