■ジャクソンホールでのイエレン議長の講演に注目
みなさん、こんにちは。
今週(8月22日~)の為替相場は小動き。
ボラティリティが低下している要因として、今週(8月22日~)は、まだ夏季休暇から戻っていない市場参加者が多い、ということがまずひとつ挙げられます。
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しかし、一番の理由は8月25日(木)~27日(土)にジャクソンホールでの経済シンポジウムを控えているため。
【参考記事】
●注目はジャクソンホールでのイエレン発言。米国は次が最後の利上げとなる可能性(8月22日、西原宏一&大橋ひろこ)
ジャクソンホールは米国のワイオミング州にある地名(建物の名称ではない)。写真をみると、非常にきれいで、豊かな自然が広がっているが、イエレン議長はどこで講演をするのだろうか? (C)ullstein bild/Getty Images
このジャクソンホールの経済シンポジウムが脚光を浴び始めたのが、2010年8月でした。
2010年8月の同経済シンポジウムで、当時FRB(米連邦準備制度理事会)議長だったバーナンキ氏が、量的緩和(QE)に言及したことがきっかけになっています。
ジャクソンホールでの経済シンポジウムが脚光を浴びるようになったのは2010年8月。当時FRB議長だったバーナンキ氏が量的緩和に言及したことがきっかけだった (C)Bloomberg/Getty Images
そして今年(2016年)は、8月26日(金)にFRBのイエレン議長が2年ぶりに講演するため、マーケットの注目が集まっているわけです。
■話題となっているサンフランシスコ連銀総裁の論文とは?
今回のイエレン議長の講演でのポイントは、もちろん米利上げに関してのコメント。
ただし、今回は金融政策の再考(Rethink)という意見も出ているため、単なる金利の上げ下げだけの問題ではなくなってきています。
そのきっかけとなったのが、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が8月15日(月)に発表した短い論文でした。
論文の内容は「景気後退に備え、金融政策の枠組みを再考すべきだ」と主張。
インフレ目標値(2%)の引き上げのほか、物価水準や名目国内総生産(GDP)目標の採用を選択肢に掲げました。
サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が発表した論文を受けて、米国の金融政策を再考すべきとの意見が出てきた (C)Rob Kim/Getty Images Entertainment
注目すべきは、自然利子率が低い環境下では、新しい金融政策を考えるべきと主張していること。
(※執筆者注:「自然利子率」とはインフレを加速も減速もさせない景気に中立的な均衡実質利子率のこと)
新しい金融政策を模索しているということは、米金利の上げ下げだけが、今回の講演の焦点ではないということになります。
つまり、マーケットが描いている米利上げシナリオに不透明感が増すことになります。
今年(2016年)のジャクソンホールでの経済シンポジウムの…
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