■中期的に円高変わらずも、米ドル/円は調整局面が継続
みなさん、こんにちは。
前回のコラムでご紹介したように、今月(4月)上旬、一気に5円弱急落したあとの米ドル/円は調整局面を継続しています。
【参考記事】
●パナマ文書が安倍政権の爆弾になる!? 原油本格反発のカギ握るドーハ会合に注目(4月14日、西原宏一)
ドーハ会合の決定を受け、今週(4月18日~)も再び米ドル/円は107円台に突入しましたが、今回も107円台後半をブレイクできず反発…。
中期の円高の流れは変わらずも、当面、米ドル/円は調整局面が継続。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
■上海合意のもと、「株高・資源高・米ドル安」進行中
米ドル/円での米ドル安はいったん沈静化しましたが、上海合意のもと、「株高・資源高・米ドル安」は進行中…。
【参考記事】
●安倍首相が米国に「介入しない」と宣言!? 上海合意で、米ドル/円は100円も視野に!(4月7日、西原宏一)
NYダウはついに1万8000ドルを回復、ドーハ会合での失敗にも関わらず原油は反発。鉄鉱石を始めとする商品市況は上昇。

(出所:CQG)

(出所:CQG)

(出所:CQG)
資源国通貨である豪ドル/米ドルは0.78ドル台を回復、節目の0.8000ドルをうかがう展開で米ドル安へ。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
また、前述のように、米ドル/円は107円台まで急落する米ドル安となっています。
■ユーロ/円は長期の上昇幅の50%戻しが重要ポイント
しかし、こうした環境下、米ドル安が進んでいないのがユーロ/米ドルです。
米ドル/円では、昨年(2015年)の高値からすでに10%以上、米ドル安が進行。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
豪ドル/米ドルでも1月の安値からすでに1000ポイント、米ドル安が進行。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
そんな中、対ユーロでは米ドル安が進行していません。
ユーロ/円は2015年6月に141.06円の高値をつけたあと、長期にわたって続落中…。21週移動平均線が上値を抑えている展開です。
重要ポイントは2012年7月24日安値の94.07円と2014年12月12日高値149.78円の上昇幅の50%戻しである121.92円。
4月18日(月)に一時、121.71円に到達しましたが、終値ではこの50%戻しを割り込めず…。

(出所:CQG)
■上海合意あるならユーロ/米ドルはじわじわ上昇する展開か
前述のように他通貨、特に対円と比較して、対ユーロでの米ドル安進行が遅れています。
上海合意が存在するとの前提に立つと、「資源高・株高・米ドル安」が進行する中、対ユーロでも米ドル安がじわじわと進行する公算が高いと考えています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
本日(4月21日)はECB(欧州中央銀行)理事会が予定されています。
このECB理事会で大きな政策変更がなければ、調整が遅れているユーロは対円で値を切り上げてくるのではないでしょうか?

(出所:CQG)
長期の上昇幅の50%戻しをブレイクできず底堅く推移しているユーロ/円の動向に注目です。
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