3者会合開催で介入警戒レベルを引き上げ
今年(2024年)の第1四半期が終わりました。大きく動いたのは日経平均で7000円以上の上昇です。
米ドル/円はというと年初から10円上がったのですが、1月前半に上がってからはダラダラとした印象です。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
今朝(4月1日朝)も膠着していますが、先週(3月25日~)は34年ぶりの円安水準に達して、財務省・日銀・金融庁は3者会合を開催しました。
介入警戒レベルが上がりましたね。あのヘッドラインで米ドル/円の買いポジションを閉じた人も多いようです。
米経済指標で急騰すれば介入も
今夜はISM製造業景況指数が、金曜日(4月5日)には米雇用統計が発表されます。
結果が上ブレして、米ドル/円が152.50円前後まで急騰したら介入が入りますか?
一般的には155円が介入警戒水準とされていましたし、その手前の153円から154円でも入るかもしれないと警戒していました。
しかし、3者会合が開かれたことで、上昇スピードによってはさらに手前で入る可能性も出てきたと考えています。
いずれにせよ「指標で米金利がどう動くか」に集約されるのでしょう。
「6月利下げ」はムリ? 織り込みは低下
FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ時期をめぐっては、6月利下げの織り込みが6割程度まで下がってきました。
インフレ低下は「ラスト1マイル」が難しいと言われてきましたが、下がるどころか上がってきてしまった。個人的には6月の利下げも難しいのではと考えています。
米アトランタ連銀のボスティック総裁は「年内1回の利下げが適切」と予想と修正しましたし、ウォラーFRB理事も「最近の指標を受け、全体の利下げ回数を減らすか、さらに利下げを先送りするのが適切だ」としています。
利下げ時期が後ズレし、米金利が上昇する展開は昨年(2023年)と同じですね。
第1四半期の為替市場を振り返ると、すべての主要通貨に対して米ドル高となりました。おそらく誰も想定していなかった展開です。
現在の米長期金利(米10年債利回り)は4.2%前後ですが、これが5%まで戻らずとも、4.5%程度に戻すだけでも米ドル全体の底上げにつながります。
(出所:TradingView)
ゴールド高、日経平均は期初の益出し、新NISAの円売り
米ドル高ならばゴールドは下がるはずですが、今朝もなかなかの勢いで上がっています。
これだけの騰勢で上がるのは、何かを織り込んでいると考えるのが自然ですが、それがインフレ長期化への警戒なのか、米金利の上昇による株価下落リスクのヘッジなのか――教科書的な説明とは異なる上げ方のような気がします。
(出所:TradingView)
話している間に日経平均が下がってきましたが、おそらく期初の「益出し(利益確定)」による売りなのでしょう。だとすれば、明日(4月2日)くらいまでは続く可能性があります。
月初は新NISAによる投信の買いも入りますね。
2月は第2営業日のロンドンフィックスに向けて買われました。3月は目立った動きがありませんでしたが、今月(4月)も明日のロンドンフィックスに向けた円売りには警戒しておきたいですね。
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JPモルガンは「原油100ドル」、米ドル/円は押し目買い継続
原油市場では、JPモルガンのレポートが注目されています。ロシアの策謀によりブレント原油が100ドルまで上がるのではとの予想です。
原油高でインフレが高止まりし、米金利が持ち上げられると米ドル/円も上がってしまいますね。
152円を超えていくという予想は変わりませんし、押し目買いでいいのでしょう。
ただし、牽制発言や介入などで急落するリスクはあります。ストップロスはしっかり置いておき、下がったところで買い直せばいいでしょう。
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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