昨日の欧州序盤ではドル円は102円台の中盤。ここ最近は101円台が損なって、103円台ではトップを形成している。その間でドル円が行ったり来たりしているだけなのだが、そのたびにアメリカの9月利上げの可能性が高まったの、なくなっただのと取沙汰している。
しかし9月利上げを言っているのは為替市場だけだ。肝心の金利市場では9月利上げはまったく織り込んでいない。むしろ12月利上げを問題にしている。今年は利上げができるのかどうかだ。
そうした中、昨日は重要なものも含めてとてもたくさんの経済指標が同時に発表された。たくさんあるので、かえって各々の重要度が低下する。たとえばセンチメント指数ではエンパイア指数とフィリー指数が出るのだが、二つも出るとどちらが正確な景況感を表しているのか判断に迷う。
だからどちらも充てにならないということになる。インフレ懸念が少ないことからPPIも注目度が低い。しかるに小売売上高が相対的に重要となるのだが、その小売り関連のデータが、予想を大きく下回った。そのほかの経済指標も決して良いものではなかった。
それで9月利上げは完全になくなったことを確認したマーケットは、ドル安方向に傾いた。ドル円も101円台に差し込んだ。しかし101円台というのはここ最近の下限を形成しているので、ここからショート攻めするのはちょっと辛い。また値動きを見ていると、すぐに戻ってきたりする。同じように考えて見ている市場参加者が多いということだ。
ニューヨーク序盤からドル円はショートカバーが始まった。一回目の下サイドの突込みは失敗したということだ。70ポイントほどのショートカバーを終えて、ようやくドルの利食い売りのフローも出てきた感じ。ニューヨーク時間では徐々にドル売りが進んで、102円台の前半でステイした。
そして今日になってドル円は再び安値トライ。前日の安値も下回ってきたが、やはり101円台では買いたい人も多いようだ。すぐに戻ってきて、下値の底堅さを思わせる。ドル円は大きめのレンジ幅のボックス圏での動きを想定して臨んだほうがよさそうだ。
日本時間 13時00分
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