先週の金曜日はアジア時間では、ドル円は105円台を一度も割れずに堅調さをキープした。そして欧州序盤では105円台の前半で、アメリカのGDP待ちの形となった。GDPは良いものが期待されている。予想ではプラス2.5%だが、それよりも良くても驚かないという状態である。
それによって12月利上げは確実になるだろうというシナリオで進行していたのだ。それでドル買いも息が長い。ドル円は夕方に105.40あたりまで高値をひろげていた。後は105.50とかを超えてきて、さらに買い戻しなどで一段高するのかどうかに注目が集まった。
GDPはプラス2.9%で、事前の予想を上回った。しかし個人消費がすこぶる悪かった。それで最初のうちはリスクテークに進みそうになってドル円も20ポイントほど上がったが、時間の経過とともに12月利上げのほうだけがクローズアップされて、かえってグローベックスでは米国株は下げに転じることとなった。
そしてリスクオフとともにドル円も次第に頭が重くなってきた。私としても指標が出てから相場の動きを見てから手を出そうと思っていたのだが、こうやってドル円の上値が限定的なのを確認した今となってはドルを売りこんでいきたくなってきた。そして105.38で売ってみたのである。
米国株が始まってからもドル円は重いにはお見のだが、なかなか105円の大台を割れない。そうしているうちにまた、ドル円は騰勢を復活。私は同値近辺でゲットアウトするのがやっとだった。それだけ目先はドルブルの人が多くて、どこかで拾ってやろうと待ち構えているのが大勢いることがわかった。
夜中にドル円は105円台から滑り落ちた。これは夜中にクリントン候補にFBIの再捜査が入ると報道されたからだ。マーケットの不透明要因が増えたということで、ドル売りがかさんだわけだ。
ドル円は104円のミドルまで振り落されて、そのまま104円台でニューヨーククローズを迎えることとなった。またOPEC筋からも合意に至らずとの報道も流れ、原油価格がスリップ。それがリスクオフを促した側面もある。
今週は日銀やFOMCの金利会合が予定されているが、金利動向は12月会合に関心が集まっているので、結果として今回の金利会合はまったく注目度が低い。週の後半のアメリカの雇用統計も控えているが、同じ理由でマーケットにあまりインパクトは与えないものだと見られている。
それよりもすでに話題にもならなくなっていた大統領選が重要性を増してきた。クリントン候補にどのくらい悪影響を及ぼすのか。オクトーバーサプライズになってしまうのか。海外勢の見方にも注意を払わねばならないところだ。
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