今週はメイ首相のスピーチが終わったことで一つの不透明要因が消え去り、またイエレン議長の利上げ追認発言によってアメリカの金融政策のありようも通常化してきたことを確認できた。それで米国株は高値圏を維持したままで、為替相場ではドル円が大きく上昇。週初には112円台だったものが、115円台まで見るに至っている。
昨日もドル円は上昇したのだが、それが最終段階での上げになるのか、それとも反転して下げに向かうのかは終わってみないとわからない。もっと賢く評論すべき任にある人々であっても、いまだにトランプ氏が正式に大統領になった暁には何をしでかすかわからないといっている。
しかし本人はもう財も成しているし、これ以上の名誉を求めるほどの若さもない。結構、純粋にやらなければならないと思っていることを、他の人からの避難を浴びるのを承知でやっているのではないかという気もする。だから就任しても、しゃべることは全然変わらないということもありうるのだ。
そして今夜はいよいよ大注目のトランプ氏の就任演説である。ライターではなく本人が書いたと伝わっているが、そもそも突拍子もないことを言うはずがないと見ているのだろう。マーケットは不安を感じて、何度もリスク回避の方向に進みそうになったりもしたが、結果だけを見れば米国株は歴史的な最高値水準にとどまっている。
1日だけでも簡単に歴史を更新できる場所に位置したままなのだ。問題はこれら積み上がったリスクテークのポジションがどうなるかだ。すでに積み上がってしまっている分だけ、トランプ氏が立派なことをしゃべったにしても、さらなる上昇の余地は少ないものと思われる。
今年のドル円の高値は118.60あたりで、今年の安値は112.60あたりだ。ちょうど6円ほどの値幅である。半値が115.60ということになるので、昨日の高値もそのへんまでだったので、テクニカル的にもちょうどよいレベルだということだろう。
半値レベルをクリアに超えてこないと、それよりも下ゾーンでレンジワークすることが想定される。トランプ大統領が何を言おうが、115円台はショートにしていってもよいのだと考える。
日本時間 15時30分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)