昨日は米国株の主要3指数がすべて歴史的な最高値を更新してきた。それはトランプ大統領が久しぶりに目新しい球を投げたからである。ここ1週間は入国審査の問題にかかずらわっていたので、マーケットに直接、影響することが少なかった。
それだけに「2、3週間以内に驚くべき税制改革を発表する」とした発言には、マーケットは大きく反応した。時間はちょうど日付の変わる頃であった。ドル円は113円台まで乗せてきて、マーケット全体がリスクテークの勢いが強まった。
そもそもトランプ氏が選挙中から言ってきた大型減税やインフラ投資というのは、巨額な資金の手当てを要する。予算の承認には議会を通さないといけない。だからトランプラリーを支えてきた目玉政策は、早くとも実施できるには1年はかかるものだろうと考えられてきたのだ。優先順位も低いものと見られていた分だけ、トランプ大統領の発言は市場にショックを与える格好となった。
しかし今朝になって入国拒否の大統領令の是非について、サンフランシスコの高裁が停止の継続を決定した。今後もこうなる可能性があるということになると、トランプ大統領の主張がそのまま政策にならないということになる。それはトランプラリーの根拠を打ち消すものなので、本来ならばリスクオフにつながるはず。
それで株価の下落や日本円の買い戻しが入るはずなのである。しかし実際にはまったくの反応なし。昨夜の減税発言にはちゃんと反応して、大統領令の停止には無反応だというのは、依然としていいとこ取り相場が続いているということである。
ともかくも今晩は日米首脳会談である。ここ10年以上の過去にわたって、こんなに注目されている首脳会談もない。それだけ事務方の調整が効かないガチの話し合いであることがうかがわれる。
その分だけ何がサプライズになるのかわからないという不透明性もある。本格的な市場での反応は週明けからになるかもしれないが、ニューヨーク時間の午後からでも漏れ伝わってくるニュースには注意したい。
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