昨日はドル円の値幅が60ポイントしかなかった。その前日は40ポイントである。今週になって政治的イベントがたくさん控えているということもあって、大きく動くことが期待されているのにである。
それまでの様子見だと言ってしまえばそれまでだが、やはり大きく動くことに備えるポジションが積もってきているのだろうと考えるのが順当である。大きく動くという期待はどうやってお金に換えるのかだ。それはFXオプションを買えばいいのである。
ドル円のオプションなんかを買っておけばよいのだ。コールでもプットでも構ないのである。それをガンマロングというが、そのポジションのまま相場が大きく動けば動くだけ、利益を積み重ねるという手法である。
しかしそうしたポジションが積み上がってしまうと、そこから出てくる利食いの注文、いわゆるデルタヘッジというもので、ドル円相場の上下がびっしりと覆われてしまうことにつながる。上がっても下がっても指値注文でいっぱいなのだから、相場はますます動かなくなる。
動かないのだから大きく動くことを期待していた人々も、逆張りの値段の刻みもますます小さいものに合わせていく。少しでもいいから取れるときに取っておこうというわけである。そうなると余計に動かなくなってしまうのである。
1週間前からややドル円もユーロドルも短期もののボラティリティが高くなってきている。それだけ動くことに備える需要が増えているということだ。作ったポジションが解消するまで、すなわち今週の政治イベントが終わってしまわないと、需給的にもどちらかに極端には動けない状況となっている。
ともかくもオランダの総選挙でもトランプ大統領の予算演説でも、多少のことではマーケットは動きにくいのは事実だ。今日も狭いレンジの値動きが続くのだろうが、明日の朝になってオランダ選挙からの出口調査が出始める頃あいで何がしらの動きでも出てくるのかどうか見ものである。
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