昨日の注目点はやはりトランプ大統領だった。米下院でオバマケアの修正案が審議入りしており、政権側からの発表によると23日には採決に持ち込むと言っていたからだ。いまだに反対意見を表明している議員を抱えている共和党。
このままで採決に持ち込めるのかどうかが疑問視されていた。マーケットには不安がくすぶり、リスクの弱いとされるドル円は、今年の最安値をいつアタックしてもいい状態であった。
昨日のアジア時間ではドル円は111円台まで戻してきてはいるものの、欧州序盤では再び軟化。ニューヨーク勢が参入する頃となると、ドル円、ユーロ円は一段安。米国発のニュースでは議会の状況が続々と伝わってくるが、やはり修正案の採決にまではいたらなさそうという観測が大勢を占めた。
ドル円は110.63まで安値を拡げたが、今年の安値を更新といっても前日の安値と10ポイントほどしか変わらない。ここで反転しようものならば、110.60レベルというのはダブるボトムになったと評価されることになるだろう。
そしてようやくのこと私もスケベロングでドル円を買ってみた。つまり本格的なブルではないのだ。テクニカル的にここで止まってしまったら、後で後悔するだろうという消極的な理由によるものだ。私も法案の採決は無理だろうと思っているし、ファンダメンタルズ的にはドル円もユーロ円もベアにならざるをえない局面だ。
だからドル円が値を戻しても、そんなにも欲張らないだろうという自分の姿も容易に想像がつく。20ポイントでも取れれば御の字だ。というわけで、110.74でロングにしたドル円は、ものの見事に111円台に乗せる前になくなった。利食いになっただけでも、ありだたいことだ。
そしてニューヨーククローズ間際に、下院での採決は延期されることが決まった。反対議員を説得できなかったのである。今晩はアメリカの議会でオバマケアの修正案が再審議されることになっている。果たして手順通りに行くのかどうかが疑われている。来週までずれ込む可能性も否定できなくなってきているようだ。マーケットではリスクの動向を意識した展開が続きそうだ。
日本時間 16時30分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)