先週の金曜日はアジア時間でもドル円は堅調さを示したが、その上昇のほとんどがショート勢の買い戻しによるものだろう。前日の高値を超えてくるほどの勢いはなかった。
英米での世論調査が当てにならなかった記憶も新しく、週末に控えたフランスの大統領選などの不確定要因を避けるために、ともかく一時的にドルショートのポジションを減らしたという側面が強いのだろう。
本当に観測通りだったら、大きなリスクテークの流れが起こってドル円が110円台を超えてくるかもしれないからだ。海外市場でもボックス圏は抜けれ。欧州時間、ニューヨーク時間を通じて為替相場は小動きの展開となった。
トランプ大統領が税制改革案を26日にも発表するといったのがニュースではあったが、それに対するマーケットの反応は乏しかった。いまだに税制のどこをどのように変えて、そのために必要な財源をどこから持ってくるのか、いまいち不透明のままだからだろう。
もはやリップサービスには踊らされない状況になってきている。ドル円は昨年末と今年の年初に118円台までやっているので、その分だけマーケットは傷ついてしまっている。そう簡単には話に乗れないのである。
週末のフランス大統領選の投票では、大方の予想通りにマクロン氏とルペン氏の決選投票が決まった。そしてマーケットでは反応も薄いだろうと思われていたのだが、早朝の為替相場では大きくリスクテークの方向に傾いた。
ドル円は先週末のレートよりも1円以上も跳ねて始まり。ユーロドルも200ポイントも飛んで始まった。グローベックスでの米国株も大幅高で始まっており、日本株も大きく値を上げてきた。
フランスの大統領選の1回目投票そのものは、いたって予想通りなのに、ちょっと過剰な反応のような気もする。やはりリスク回避としょうしてポジションヘッジし過ぎた分の反動が出ているのであろう。
年初から継続してきたリスク回避にも、ちょっとやわらぎの様子も出てきたようだ。フランスの材料ではちょっと落ち着いてきたので、次の今週の注目はグーグルなどのハイテクに決算、そしてトランプラリーの中身を測るべきGDPの速報値である。
また政治的には今日にも通過するだろうと考えられている暫定予算、そして大統領自身が公言している26日の驚くべき税制改革の中身である。
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