金曜日は東京時間で日本株が下げて始まった。海外市場では債券相場がいっせいに下げてきたので、金利上昇が企業コスト増を想起させ、リスクオフとなったためだ。円債もたぶんに漏れずに下げだしている。
そこへもってきて日銀が国債の買い入れの指値オペを実施した。マーケットでの政策期待が高まることとなった。それで安心感を得た市場はリスクテークに転じ、ドル円も反発に向かった。
私としてはこんなものは子供だましだとは思っていたのだが、それでもしばらくはドル円もビッドが強くなるだろうと考えなおして、スモールだけだがちょろちょろとロング攻め。
長く持てないのは、やはりドル円の上昇は一時的なものだと思っているからだ。ドル円は113.70あたりまで攻めこんだ後は、上がっていかない代わりに押し目もなかった。
夜の注目はアメリカの雇用統計だった。就業者数は予想を上回ったものの、失業率、平均時給ともに予想よりも悪かった。それを反映して市場の反応はすっきりとしたリスクオンにはならなかった。
確かに為替相場ではドル円が114円台に乗せてきたり、ユーロ円が130円台まで買い進まれるなどの反応も見られたが、肝心の米国株の上昇幅は小さいものにとどまった。
あまり今回の雇用統計はマーケットに明確な材料を与えなかったようである。ユーロドルは指標の前後でも50ポイントも動いていない始末である。そして週末の20からは面白い材料は出なかった。むしろ、もっぱら猿芝居のようだったという酷評が多い。
ホスト国であるメルケル首相の頑張りが目立った程度。本邦の安倍首相も目立たなかった。北朝鮮問題といっても、中東からの難民問題に比べたら小さいのかもしれない。経済的には保護主義に反対の姿勢を示したが、本気でアメリカに反対する意向でもないようだ。
今週は週の後半にイベントが集まっている。逆に言うと週の前半は小動きの展開が続くのだろう。ドル円は上げ基調には見えるが、値幅が少ないものと想定してのポジショニングが必要となる。週の後半からは発表される経済指標も多くなる。
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