昨夜はアメリカの金利会合であった。しかし7月会合だったので、市場が期待するものも少なかった。それでも為替相場は全般的にドル高方向にバイアスがかかっていて、ドル円は112円台に乗せてきて、ユーロドルは1.16台の前半まで押し込まれて結果を待つこととなった。
会合に期待しないとしても、ドルショートのポジションは何かあったら不気味である。FOMCスルーでいったんはポジションを外しておきたいと考える投資家がいてもおかしくはない。
とくに中長期の投資スタンスでのポジションであれば、このファンダメンタルズの変化を呼び込みかねない局面ではリスクを軽減しておくのが得策となる。1日経ってから、落ち着いてポジションを再構築しても遅くはないのだ。
たとえばドル円で高値を130円まで見ている投資であれば、その途中で112円から114円まで抜かれても、それは全体として影響は軽微だということだ。
FOMC後の声明文では、ほぼ事前の予想通りの結果となった。コンセンサスである9月会合でのバランスシートの縮小開始、そして12月会合での利上げである。内容に新鮮味がなかったため、マーケットは相対的にハト派的なものと受け取ったようだ。
市場の反応としては、米国債は前日の下げ分をほぼ取り戻して、再び長期金利の低下傾向が強まってきた。為替相場ではドル安が進み、ドル円は1円幅ほどの下落。そしてユーロドルは100ポイント上がって、今年の高値を更新してきた。
ダイナミックなバランスシートの縮小がないと見たからか、小幅な動きでしかなかったものの、米国株は歴史的な最高値圏へ。総じて緩和モードの金融相場が演じられることとなった。
FOMCも終わって、金曜日にアメリカのGDPが出てしまえば、マーケットはサマーバカンスのシーズンに入る。トランプ政権はオバマケアの修正案ですら通過できないし、中国との100日行動プランも何も出てきていない。8月までに税制改革の骨子を示すと言っていたが、何も進展しそうにない。
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