金曜日はさすがにアジア時間でもリスク回避の流れが強まった。土曜日の9日が北朝鮮の建国記念日であって、何か面白いことをやってくるのではないかとの懸念があったからだ。決して警戒感が高まっているという感じではないが、それでも何かあったら困るといった消極的な警戒だ。
不必要にリスク性の高いものを持っていた連中が投げ売りをするにはちょうどよい段階だったと言える。そもそもミサイルを撃ったくらいでは何も世の中は変わらないだろうという楽観論も根強い。
ランチタイムにユーロドルが今年の高値であった1.2070を上抜けしてきた。これはドル売りの流れが強まっていた最中のことだったので、不思議ではない。薄いマーケットを狙い撃ちにした仕掛け的な動きでもなさそうだ。
そして前日に下攻めに失敗した形となっていたドル円も、ついに108円台を割り込んできた。これは10カ月ぶりの円高水準である。「107」という大台の数字に敬意を表して、私も追随売りをした。前日に突っ込んで売って、しくじったことはもう忘れてしまっている(笑)。
そして今回のドル円の下げは腰が入っていた。なかなか目に見えるほどのスピーディなショートカバーが現れてこないのである。107.60あたりまで進んだ円高も、ほとんど戻すことなく欧州時間に入った。欧州時間でもドル円がさらに下がるなど、リスクオフ一色となりそうだった。
そして107.50を下回ってきても、ぜんぜん元に戻りそうもなかった。こうなってくると107円台は素通りだったということになるのではないか。ニューヨーククローズでは106.70とかになっているのではないか。そのような考えがチラホラ出てきたが、これはあくまでもポジショントークの部類だ。
しかしニューヨークオープンまでにはリスク許容度も回復。ドル円は107.35あたりで底を打った格好だ。私も107、50を上回ってきたところでストップ的にドル円を買い戻し。ポジションを閉じた。
その後は地政学的リスクは変わらないものの、米財政審議が多少なりとも前進しそうだということでマーケット全体がリスクテークの様相となって、ドル円も108円台を付けたりしている。
日本時間 15時20分
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