週末に北朝鮮が行動を起こさなかったことで、昨日は早朝からリスクテークの展開となった。ドル円やユーロ円が高く始まり、日本株も高めに寄り付いた。その後もリスクテークの勢いは衰えず、アジア時間ではドル円の値幅は小さいものだったが、それでも108円台のミドルをキープした。
海外市場では経済イベントは少なかったものの、北朝鮮への制裁決議の行方が注目を浴びた。米国の原案では中ロが飲める内容ではないので、どこまで緩めるかがカギだった。石油の輸出を認めるかどうかにかかっていたのだが、やはり伝わってくる妥協策としては、実質的に石油についてはいじらないだろうというものだった。
それでマーケットはリスク許容度を高めることとなって、ニューヨーク序盤ではドル円は108円台の後半まで上がってきて、振り返ってみると、ここまでほとんどディップがない。すでにグローベックスでも米国株は大きく値上がりしており、リスクフルの状態。ハリケーンの大警戒してただけにカテゴリーが下がったことも加勢した。
北朝鮮問題をかなり楽観視している。そもそも衰えたとはいえ、ハリケーンが来ていてGDPが下がると心配している中、また北朝鮮の地政学的リスクがなくなったわけでもないのだ。ちょっと行き過ぎの面もあるのではないかと思って、私は手を出さなかった。
その後も米国株は一段高をし続け、ドル円は109円台に乗せてきた。ニューヨーククローズまでドル円が下がることはなく、そのまま高値引けの格好となった。そして市場の観測通りに、国連の制裁決議は実質的には石油には触らない、個人資産にも手をつけないという内容で合意を見ることとなった。
はたしてこれで北朝鮮に圧力をかけられるような状況に持っていけるものなのか。どことなく地政学的リスクを忘れてしまったみたいなようであるマーケットのほうに危うさを感じずにはいられない。
今晩も経済イベントが少ない。やはり北朝鮮からの報道がトピックの中心とならざるをえないだろう。北朝鮮の反応はもちろんのこと、中国・ロシアの見解も大事なところである。
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