昨日はアジア時間ではドル円が110円台のミドルにステイ。まったくの押し目買いモードになっており、なかなか下がらない。BOEの会合があったが、あまり注目を集めていなかったところ、金融緩和の縮小を意識させるコメントが出てきたのだ。
それで動意に欠けていた為替相場だったが、ポンド買いに拍車がかかった。ポンド円をはじめとするクロス円の上昇によって、ドル円もやや吹き上がった。
しかし21時半のCPIの発表に向けて、ドル円はやや軟化。しかしCPIの発表直後にはドル円は急騰し、111円台をタッチすることとなった。FRBがやたらにインフレ率の代表みたいにCPIのことをいうばかりなので、単純に予想を上回ったCPIに反応したのだろう。
だが実際にはCPIに3か月ほど先行するのがPPIである。前日に出たPPIは低めだったので、今後のCPIもあまり期待できないだろうということが想像される。そうした反省もあってか、ドルの上昇は実に一時的なものにとどまった。ドル円はアッという間に元のレベルに押し戻されてしまった。
そして今日の朝の7時過ぎにJアラートが鳴った。前回よりも落ち着いた対応だった。発信するメッセージも意味不明との悪評も高かったので、わかりやすいものになっていた。しかし依然としてアラートがなったからといって、どうすればいいのかの答えは出ていない。ミサイルに積んでいる弾頭の種類にもよるが、どこにも逃げようがないのだ。また日本側が迎撃していないのも気にかかる。
そういうわけで早朝のセッションでの反応は限定的なものだった。ドル円は109円台のミドルまで差し込んだが、これとても1円級の下げを演じていない。そして東京オープンまでには値を戻してきている。
日本が連休に入るので、リスク回避の動きが顕著になるのかどうかが、本日の注目点である。マーケットが地政学的リスクに慣れてしまったような反応しか示さないと、かえって株価の一段高などの契機を与えることにつながる可能性があり、クロス円の動きも左右されそうだ。
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