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FX会社へのサイバー攻撃が頻発!(2)
緊急時に備え、口座は複数持っておきたい

2017年10月02日(月)12:00公開 (2017年10月02日(月)12:00更新)
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「FX会社へのサイバー攻撃が頻発! (1)「DDOS攻撃」でサービス停止状態に…!?」からつづく)

外為どっとコムや上田ハーローもDDOS攻撃の標的に…

前回の記事では、マネーパートナーズFXトレード・フィナンシャルが受けた「DDOS攻撃」の状況について紹介したが、それ以外にも、ヒロセ通商外為どっとコムなどが「DDOS攻撃」の被害を受けている。

【参考記事】
FX会社へのサイバー攻撃が頻発!(1)「DDOS攻撃」でサービス停止状態に…!?

ヒロセ通商では、9月18日(月)10時15分から11時28分ごろまで公式ウェブサイトや取引ツールへアクセスしにくい状況となった。

ヒロセ通商のウェブサイト
ヒロセ通商のウェブサイト

 そして外為どっとコムでは、9月21日(木)9時15分から10時にかけて、公式ウェブサイトやスマートフォンアプリへログインしづらくなったという。

外為どっとコムのウェブサイト
外為どっとコムのウェブサイト

 ただし、ヒロセ通商外為どっとコムについては、いずれも発生から復旧までの時間は比較的短かったため、マネーパートナーズFXトレード・フィナンシャルと比べて被害は軽微であったといえそうだ。

 さらに上田ハーローも、9月21日(木)10時15分ごろより「DDOS攻撃」を受け、「www.uedaharlowfx.jp」ドメインの上田ハーローのサイトがアクセスしづらい状態になっていたようだ(前述のドメイン以外の上田ハーローのサイトや取引システムは正常)

 そして、この「DDOS攻撃」に対し、上田ハーローは、対象サイトへのアクセスを制限する措置を取っていたとのこと。

上田ハーローのウェブサイト
上田ハーローのウェブサイト

 また、同じく短資会社を親会社に持つセントラル短資FXも、9月22日(金)9時3分から同12分ごろまで、「DDOS攻撃」により、公式ウェブサイトや取引システムにアクセスしにく状況だったという。

セントラル短資FXのウェブサイト
セントラル短資FXのウェブサイト

 以下は、セントラル短資FXからデータ提供を受け、ザイFX!で掲載している為替チャートだが、セントラル短資FXのウェブサイトや取引システムにつながらなかった時間帯のローソク足が抜け落ちていることがわかる。間接的にザイFX!もサイバー攻撃の影響を受けていたのだ。

米ドル/円 5分足
米ドル/円 5分足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 5分足

マネーパートナーズでは「緊急ログインサイト」を用意

 このように、FX業界全体に拡がりを見せる「DDOS攻撃」。

 FX各社は「DDOS攻撃」そのものへの対策を取っているようだが、それに加えて、緊急措置的な対応を進めているFX会社もある

 そのひとつが、今回「DDOS攻撃」受けたマネーパートナーズだ。

マネーパートナーズ

マネーパートナーズでは、今後、サイバー攻撃を受けた際に、ウェブサイトや取引システムにアクセスしづらい状況が発生した場合に備え、「緊急ログインサイト」を用意している

マネーパートナーズがリリースした「緊急ログインサイト」
マネーパートナーズがリリースした「緊急ログインサイト」

 万が一、サイバー攻撃でマネーパートナーズのウェブサイトや取引ツールがつながりにくい状況になった場合、「緊急ログインサイト」にアクセスすれば、ログインすることができるというわけだ。

マネーパートナーズによると、今回の「DDOS攻撃」により公式ウェブサイト用のサーバーはダウンしたわけだが、実は、取引システムは標的となったサーバーとは別のサーバーで管理されていて正常に動いていたという。

 しかし、マネーパートナーズの場合、取引システムにログインするには公式ウェブサイトを経由する必要がある。そのため、取引システムは正常でもログインできなくなってしまったということのようだ。

 こちらの「緊急ログインサイト」は、マネーパートナーズの公式ウェブサイトを管理するサーバーとは別のサーバーで管理しているそうなので、仮に公式ウェブサイトにつながらなくなっても、問題なくアクセスできるようになっているという。

 また、FXプライムbyGMOでは、「緊急時お知らせページ」を用意している。

FXプライムbyGMOの「緊急時お知らせページ」
FXプライムbyGMOの「緊急時お知らせページ」

FXプライムbyGMOの公式ウェブサイトにつながらなくなった場合、こちらのページで状況をお知らせするそうだ。

 さらに、岡三オンライン証券では、サイバー攻撃などで公式ウェブサイトにつながらなくなった場合を想定して、各サービスのログインページをブックマークしておくことを推奨している。

岡三オンライン証券のログインページ
岡三オンライン証券のログインページ

万が一に備えて、複数のFX会社に口座開設して資産分散を

 とはいっても、突然、使っている口座にログインできなくなったらパニックになってしまう人もいるだろう。

 しかも、為替相場が自身の保有しているポジションとは反対に大きく動いていて……なんて考えたら気が気じゃないはず。

 その時、保有するポジションにストップ注文を入れていればまだいいが、そうじゃなければ損失が膨らんで、最悪はロスカットなんていうことにもなりかねない。

 また、ポジションを持っていない場合も、せっかく為替相場が動いていてトレードするチャンスなのに、口座にログインできなくて新規の取引ができないなんてケースもあり得る。これはもったいない。

 でも、使っている口座がログインできないのではどうしようもない……なんて思った人がいるかもしれないが、そういったリスクを回避する手段として、複数のFX会社に口座を開設しておいて、資産を分散しておくという方法がある。

サブ口座を保有するメリット

 たとえば、AというFX会社の口座を使っていて、突然、ログインできなくなってしまい、保有しているポジションの決済注文ができなくなってしまったとする。

 その場合、BというFX会社に事前に口座を開設して資産を振り分けておけば(あるいはあとから入金すれば)、その口座でA社で保有しているポジションの反対売買をすることができる。そうすると、A社、B社のポジションは買いと売りの「両建て」になって、損益を固定することができるのだ。

 また、新規に取引したい場合も、A社にログインできなくても、B社でトレードすればいいので、トレードチャンスを逃さなくて済む。

 もし、まだメイン口座以外にFX口座を持っていない人は、この機会にサブ口座の口座開設を検討してみてはどうだろう。

 以下の【参考コンテンツ】では、取引コストやスワップ金利、取り扱い通貨ペアといったカテゴリー別に、FX各社のスペックをチェックすることができるので、こちらもご参考に。

【参考コンテンツ】
FX会社おすすめ比較

 さらに、ザイFX!限定でキャッシュバックが受けられるなど、オトクなキャンペーンも実施している。こちらも活用していただき、自身のトレードスタイルに合ったFX会社を探してみてはどうだろう。

【参考コンテンツ】
FX会社おすすめ比較:キャンペーンで比べる

 今回はFX業界で拡がりを見せているサイバー攻撃について紹介してきた。記事で紹介したように「DDOS攻撃」は完璧な防御策がないのが実情…。一度収まっても再び攻撃を受けてFX会社のサービスが停止してしまうリスクもある。

 そうなったときに備えて複数のFX会社に口座開設しておけば、リスクヘッジにもなるし、取引チャンスも逃さなくて済む。トレードでは「リスク管理が重要」とよく言われるが、それは実際にトレードする前、口座開設の段階からすでに始まっているのだ。

(ザイFX!編集部・庄司正高)

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