北朝鮮の外相が「宣戦」といったことに反応して111円台まで下げてきたドル円。それで戻り切れないで昨日のアジア時間は過ぎた。これまでの北朝鮮問題でのマーケットのリアクションから考えると、時間の経過とともに何事もなかったかのように元のレベルまで戻ってくる。
復元力が強いと思われている。しかも結構あっさりとだ。しかし昨日の昼間はなかなか値を戻すことができなかった。ずっと111円台中盤に張り付いていたので、ちょっと不安になってきたろうことも事実だ。マーケットというものは、すぐに答えを欲しがるものである。
ドル円の復調が見えだしたのはニューヨークオープンが近付いてからである。ドル上昇をリードしたのはユーロドルである。ドイツの選挙が終わってからのユーロの軟調さである。ユーロドルが1.17台に突入してくると、ドル買い圧力は高まってきた。
ドル円もビッドが強くなってきた。私も111.86でやっとロングにできた。すぐに112円台などはつくだろうと思って見ていたが、自分でポジションを持っている間は実に遅く感じる。なんだかユーロドルの下げも止まったような感じだ。
夜の22時からアメリカの経済指標が出だしたが、それでやっと112円台に乗せてきたので、私もドルの利食い売りに励んだ。あまり112円台はロングで持っていたくないのだ。今年の半値戻しが112.75に位置しており、そこを上抜けするまではむしろ逆張りで攻めたいところ。これがテクニカル面からの要請でもあるのだし。
夜中にはイエレン議長が12月利上げを後押しするような発言をした。すでに先週のFOMCでも同様のことをしゃべっているので、目新しさはない。米国株はおとなしい動きだった。ドル金利もそれほど動いていない。
今日のニューヨーク時間では米議会の税制改革案が公表される。どうせ画期的なことはできないだろうと前もってあまり期待されていない分だけ、踏み込んだ内容のものだったら一種のサプライズとなる。
ドル金利が上昇してしまい、ドル相場も上がってしまうことになるだろう。ドル円も112.75を抜けてきて、今年の後半にかけてドル上昇の流れを作ることになりそうだ。しかしその可能性と現実味は極めて薄い。トランプ政権の主張する通りにはいかないものと考えられている。
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