昨日はアジア時間でドル円が高値攻めをした。とくに仲値決めでの外貨手当ての際に買い上げられた余波が、そのまま続いた格好だ。ドル円は113円台に乗せてきて、先週の戻し高値である113.25を目指す展開となった。
ここ2週間で5円近くもあげてきているのだから、まとまった上値攻めが出れば、ブレークするのも時間の問題かと思われた。しかし欧州序盤に至るも、なかなか突破できない。それでテクニカル面を重視したドル売りに押されだした。結果とし上抜けできないのであれば、論理的には絶好の売り場となるからである。
ドル円はしばらく113円ちょうどを挟んでの小動きに徹していたが、やはり物量にかなわず、ニューヨーク序盤でも一段安。112.70あたりまで差し込んでくると、もうドル円を買おうなどという気は起こらなくなるものだ。
それでもドル円やユーロ円の下げは限定的で、海外株も堅調。カタルーニャの独立騒動もラスベガスの銃乱射も悪材料として捉えられていない。昨日の唯一の経済指標であったアメリカの自動車販売の件数も予想を上回っており、これもマーケットに安心感を与えた。
米国株は主要3指数ともに歴史的な高値を記録した。もう高値更新が当たり前になっている状況なので、値段が生産性に見合っているかなどのバリュー的な議論はまったく影を潜めてきている。
さて今晩は雇用統計の前哨戦であるADPの民間調査が出る。しかし今回の雇用統計では就業者数の増加も、5万人とか8万人のみとも見込まれており、あまり指標の発表そのものに期待が集まっていない。
ましてやFOMCが終わって、バランスシートの縮小を決定したばかりである。マーケットの注目度は薄い。それよりも重要なのは高値圏を維持している株価だ。米国株の崩れがあれば、それはリスク許容度に変化を与えずにはおかない。この変化を見逃してはいけないステージなのである。
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