■6月のユーロ/米ドルのサインから今後の米ドル/円を推測
相場のことは相場に聞くしかないので、前例に照らして考えてみるのが一番の近道だ。
ユーロ/米ドルの6月14日(水)のチャート(矢印)が示したサインと、10月6日(金)の米ドル/円のサインとを比較すれば、おわかりいただけるのではないだろうか。
(FXブロードネット)
この6月14日(水)のユーロ/米ドルのチャートも、いったん「フェイクセットアップ」の可能性を示唆していたものの、6月20日(火)安値まで限られた反落幅しかもたらすことができず、その後、一転して高値がブレイクされ、9月高値の1.2092ドルまでの強い上昇波につながった。
ちなみに、6月14日(水)の高値は1.1296ドルにすぎなかったので、そこから計算すると、実に800pipsに近い大相場であった。
当時のチャートをより詳細にみると、下のチャートに表示しているサインを読み取れる。
(FXブロードネット)
昨日(10月19日)のレポートで取り上げた米ドル/円のチャートと見比べれば、一目瞭然であろう。
したがって、ここから米ドル/円の高値更新があれば、円売り筋は利益確定ではなく、トレンド・フォローの追撃が好ましいと思う。
■ユーロ/円などクロス円でも円安トレンドを確認
円安トレンドの整合性は、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)でも確認されているから、ユーロ/円のチャートをもって確認しておきたい。
(FXブロードネット)
ユーロ/円は前回の指摘どおり、円安トレンドを維持、10月11日(水)高値(b)からの反落は10月16日(月)まで続き、さらに一時、9月26日(火)安値(a)を下回ったものの、反騰して目先の高値につながり、10月11日(水)高値を再度更新したわけだから、典型的な「フォールス・ブレイクアウト」、すなわち、10月16日(月)の安値打診自体が「ダマシ」であったことが証明された。
したがって、ブル(上昇)トレンドへの復帰が証明され、ここから9月高値の再トライにつながるだろう。
英ポンド/円、豪ドル/円のサインも然りであるが、詳細はまた次回にて説明したい。
■クロス円上昇は緩やかな米ドル高が前提条件
最後に、クロス円における円安は、実は前提条件があることを併記しておきたい。それは一言でいえば、緩やかな米ドル高に尽きる。
そのあたりの分析はまた次回に譲るが、前回の本コラムで指摘したように、ドルインデックスの「三尊底(※)」というフォーメーションの構築中がなお進行中であることに注意していただきたい。
市況はいかに。
(※編集部注:「三尊底」とはチャートのパターンの1つで、大底を示す典型的な形とされている。「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」とも呼ばれる。また、「三尊底」の逆で、天井を示す典型的な形が「三尊型」(ヘッド&ショルダーズ))
【参考記事】
● ひどい米雇用統計結果でも米ドルは予想どおり上昇! でも続かなかった理由とは?(2017年10月13日、陳満咲杜)
(出所:Bloomberg)
(13:00執筆)
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