昨日はアジア時間ではリスク調整の場となった。前日にアメリカの減税が段階的になる見通ししだと発表されたからだ。それでは経済の底上げ力が高まらないと見たからだろう。それで米国株をはじめ、世界的に株価調整のステージに入るかと思われた。日本株も安値攻め。
ドル円も113円台の前半でステイしたままで、いかにも下値攻めの準備をしているかのよう。瞬間的には113円台割れをしていても、クリアに割り込んでいない以上は、まだ騙しの状態だ。本格的に差し込んできたら、私もドル円をショートにしたいところと思っていた。
しかし日本株がサポートされた。衆院選の前後から続いている株価ラリーの間は、一度も5日線を下回らなかった。それが位置していたのが21845円だったのに、そこでサポートされたのだ。
そうなってくると買いたいと考えていた人々の買い意欲を呼び覚ましてしまう。それはテクニカル面からの要請でもある。日本株は値を戻してきて、東京市場を中心にリスク回避の流れにはストップがかかった格好となった。私としてもちょっとドル円を売りづらくなってきた。
日銀は政策スタンスを変えなかったが、黒田総裁の会見で「出口戦略の議論は時期尚早」としたものが、リスクテークに理由付けをしたのかもしれない。欧州序盤ではドル円はやや上がってきて、完全に安値攻めはしなくなった。113.50を超えてくると、もう売れない。逆にどこまで戻る力があるのかなと考えねばならない局面に入ってきた。
ニューヨーク時間ではランチタイム近くに、トランプ大統領が「段階的な減税にはしない」といったことが、さらなるリスクテークを誘った。そこからドル円は一段高したが、113.70あたりまで。しかしほぼ高値圏に居続けたまま、ニューヨーククローズを迎えている。
そして今日になって市場のリスク許容度は増大。午前中からリスクテークの流れが強まって、ドル円は114円ちょうどを目指している。いうまでもなく114円台はここ最近は何度も止められているので、積極的にロングにしていく場所ではない。
しかし米国株をはじめとする世界中の株価が伸び切っている状態で一段高するようであれば、そこは新しいステージへの突入だと考えて、思い切って高いところでもドル円を買っていかないといけないのかもしれない。
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