■日経平均は2万3000円突破! 過熱気味のマーケットに警戒
みなさん、こんにちは。
今月(11月)の注目は、なんといっても続伸を続ける日経平均。
日本の総選挙で与党が大勝して以降、海外勢の日本株の買いがおさまらず、日経平均は、連日急伸しています。
【参考記事】
●日本株は21年ぶり高値突破なら上値拡大! 株高・リスクオンに備えて売りたい通貨は?(11月6日、西原宏一&大橋ひろこ)
●米ドル/円は重要レジスタンス突破に注目! 株急騰にいち早く反応した通貨ペアとは…!?(11月2日、西原宏一)
ここで、日経平均の上値のめどを確認してみます。
マーケット参加者の間では、まず、21年前の高値である2万2750円が意識されていました。
次が、1989年12月高値と2008年10月安値の50%戻しとなる2万3000円。
特に、50%戻しの2万3000円では、いったんもみ合いになる可能性が高いというのがコンセンサスでした。

(出所:Bloomberg)
しかし、SQ(※)前の日経平均は、2万3000円を上抜けると上昇に弾みがつき、一時2万3300円台まで急伸しました。
(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと)

(出所:Bloomberg)
個人的に、日経平均に関しては強気スタンスを維持していますが、TDシーケンシャル(※)をはじめ、オシレーター系のインディケータは軒並み短期的に買われすぎを示唆。
(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)
週足のエリオットウェーブでのカウントから分析しても、今回の上昇は5波動となり、上昇が拡張される傾向がありますが、この波動が終わると日経平均は調整に入る可能性も高いため要注意です。

(出所:Bloomberg)
■米ドル/円は巨大なオプションに上値阻まれる
日経平均の急伸に周回遅れで米ドル/円も上昇し、今週(11月6日~)の米ドル/円は、一時115.00円に急接近するも、高値は114.73円止まりで反落。
このステージでも米ドル/円は、2015年6月からのレジスタンスが位置している114円台後半のブレイクに失敗。

(出所:Bloomberg)
前回のコラムでご紹介させていただいたように、米ドル/円が反落する局面では、本邦機関投資家のオープン外債(為替をヘッジせず、オープンで投資する外債)に絡む米ドル買い注文が待っていることも予想され、米ドル/円の下落余地は限定的。
【参考記事】
●米ドル/円は重要レジスタンス突破に注目! 株急騰にいち早く反応した通貨ペアとは…!?(11月2日、西原宏一)
しかし、米ドル/円は前述のレジスタンスがどうしても超えられません。
マーケット関係者によれば、米ドル/円の上値を阻んでいるのが巨大なオプション。
来週(11月13日~)、16日(木)のNY時間が権利行使期限となる米ドル/円のオプションは、下記のようなものが控えている模様。
114.50円が44億ドル
115.00円で50億ドル
合計で94億ドルとなり、実際に、この規模のオプションがマーケットに存在するとすれば、少なくとも11月16日(木)のNY時間の権利行使期限まで、米ドル/円は115.00円を大きく超えていくのは難しいということになります。

(出所:Bloomberg)
■日経平均の調整による、米ドル/円の下落幅拡大に注意
現在、日経平均が急騰している環境下、マーケットでは米ドル/円のロングも増えてきており、仮に地政学的リスクなどマーケットに負荷のかかる報道が流れると、日経平均の調整とともに、米ドル/円の下落幅が大きくなる可能性が高まっているため要注意です。

(出所:Bloomberg)
連騰する日経平均にも関わらず、11月16日(木)までは巨大なオプションに阻まれ上値を抑えられている米ドル/円相場。
短期的に調整幅が深くなる可能性が高まっているため、調整での米ドル/円の反落に警戒です。
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