■米ドル安継続、長期金利との相関性は完全に崩壊
米ドル安が続いている。米ドル/円は昨年(2017年)安値を割り込み、ユーロ/米ドルは1月高値に接近(※1)している。ドルインデックスでみると、1月安値をいつ割り込んでもおかしくない状況(※2)だ。
(※編集部注1:本記事寄稿後の編集中に、ユーロ/米ドルは1月高値を超えた)
(※編集部注2:本記事寄稿後の編集中に、ドルインデックスは1月安値を割り込んだ)
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
その一方で、米長期金利(米10年物国債利回り)は2.9%水準前後の高値圏で推移し、米ドルとの相関性が完全に崩れている模様だ。
(出所:Bloomberg)
米長期金利の上昇が米国株の急落をもたらした、という解釈が一般的に受け入れられている。理屈として間違いではないが、昨日(2月15日)は米国株の続伸もあり、目先、米国株の回復ぶりも鮮明になっている中、米ドルの「一人負け」っぷりはひときわ目立つ。米ドル安はこれからも続くのだろうか。
■ユーロ高進行なくして米ドル安の進行なしだが、果たして?
米ドルの高安と言えば、米ドル/円をまず頭に浮かべる方が多いと思うが、為替市場ではまずユーロ/米ドルを見なければいけない。ユーロは米ドルの対極なので、ユーロ高の進行なくして米ドル安の進行なしと言っても過言ではなかろう。ユーロ/米ドルのチャートを今一度検証する必要がある。
ユーロ/米ドルの月足で見る限り、これからユーロ高、すなわち米ドル安の進行があれば、メインレジスタンスゾーンを明白に突破しなければいけない、という構図が浮かび上がる。
(出所:FXブロードネット)
黄色のレジスタンスラインは、2008年高値から2011年、2014年高値を連結したラインで、緑のサポートラインは2010年安値から2012年安値を連結したラインである。
この2つの線が重なっているところで、目先ユーロの頭が押さえられる可能性を軽視すべきではなかろう。
何しろ、マーケットのコンセンサスは、足元ほぼ米ドル売り一辺倒になっている。IMM(シカゴマーカンタイル取引所・通貨先物市場)におけるポジションの推移でみる限り、投機筋のユーロ買いは依然過去最大レベルを保っており、大した変化が見られない。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
さらに、最近報じられた、あるニュースも気になる。ブルームバーグ…
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