先週の金曜日はアジア時間にドル円が持ち上がって107円台に乗せてきたが、欧州時間になって失速。106円台に沈んだことによって、目先の頭は重たそうだという印象を投げつけた。
私もニューヨーク時間からはドル円のショート攻めを何度か挑んでみたのだが、なかなかスンナリと落ちていかないと持っている時間もばかばかしい。なので、同値でやめたりすることを繰り返していた。これ以上は動かないのだろうと思い、勝負は翌週に持ち越すことにした。
しかし夜中に出たFRBの金融報告の中で、現状のインフレ水準に満足している趣の見解が示されたことで、金融マーケットはタイトニングに関する不安から解放されたようだ。ドル金利の上昇ピッチはやや止まり、それにともなって米国株は大幅上昇。マーケット全体としては原油高もあいまって、リスクテークの状態となって週を終えている。
今週はパウエル議長の議会証言も控えており、ドル金利の動向に敏感にならざるをえないだろう。今月になって始まったのは雇用統計における賃金上昇の度合いから見たインフレ圧力の増大であり、それを金曜日の金融報告で行き過ぎた観測をちょっとだけ元に戻したという状況だ。
インフレというのは長期指標であるから、もっとたくさんのデータを見てみたいというのが実感なのだが、マーケットは先取りしたがるものだから、パウエル議長のコメントの中からも何かを組みだそうと躍起になるだろう。
ドル金利のうち、短期金利に関してはFRDの金融政策において年内の利上げが3回か4回かを確かめることとなる。一方で長期金利のほうは10年ものの利回りで3.0%の心理的な節目を突破するのかどうかで、今後のビューが変わってくるものと思われる。ドル金利の褒章は市場の値動きの不安定さを増すことは間違いない。
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