■トランプ米大統領の暴走は止められない!?
いやはや、トランプ政権というのは、いろいろと物議を醸し出してくれます。
3月6日(火)、トランプ米大統領の経済顧問トップである、コーン米国家経済会議(NEC)委員長が辞任を表明しました。
辞任のきっかけになったのは、1日(木)にトランプ大統領が、鉄鋼とアルミニウムに、それぞれ25%と10%の輸入関税を課すと発表したことでした。
コーン委員長は、この方針に大反対して、結果的に辞任することになったと言われています。
トランプ大統領が表明した輸入関税措置に大反対したコーン米国家経済会議(NEC)委員長が辞任。市場の信頼が厚かったコーン氏が辞任したことで、トランプ大統領の暴走を止めることが困難になってきたとの見方が広がっているようだ… (C)Bloomberg/Getty Images
トランプ米大統領やその周辺からは、この関税は当初、例外なくすべての国が対象になると説明されました。
「常識的な委員長である」と、市場からも信頼が厚かったコーン委員長が辞任したことで、トランプ米大統領の暴走を止めることが困難になってきたのではないかとの見方が、急速に広がってきています。
■保護主義への回帰が与えるダメージは大きい!
こうした動きに対して、各国からは当然のように激しい批判が出ています。
EU(欧州連合)は、早速、対応を協議し、28億ユーロ(約3700億円)相当の米国からの輸入品に25%の関税をかけるという対抗措置を準備しました。
対象は、消費財、農産物、鉄鋼製品、自動二輪車、バーボンウイスキーなど多種多様に渡っています。
米国が強硬な姿勢に出た場合、この対抗措置を発効するということです。
ともかく、こんなことをすれば、「保護主義への回帰」ということで、世界の貿易が縮小し、世界経済に大きなダメージを与える可能性があることは言うまでもありません。
トランプ米大統領は、本当に市場をかく乱してくれます。
■各国の株式市場がさらに崩れるきっかけにも
今後、株式相場、為替相場とも、この行方に大きく左右されることは、明らかです。
【参考記事】
●上値でのドル/円の買い持ちは即損切りを! 米国の貿易摩擦問題は改めて大問題に!?(3月7日、松田哲)
3月7日(水)のNY市場では、サンダース米大統領報道官が、「日本時間9日(金)早朝にも大統領が関税計画にサインする」ほか、「カナダ、メキシコは例外となる可能性」を示唆してはいるものの、トランプ米大統領が例外なくこの関税を実施すると決断すれば、各国の株式市場は、さらに崩れていくことになるでしょう。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
そうなると、為替市場では円高、特に米ドル/円での…
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