昨日のドル円はほとんど動かなかった。ずっと107円台の前半のままだった。何も期待はないのだが、日米首脳会談を待っているという状態となった。第2回目の会談の内容が漏れ伝わってくるのは、ニューヨーク時間の午後からであろう。日本時間の早朝である。それまでは早めに寝て、早起きすることにした。
日米首脳会談の2日目が終わって、今朝になって記者会見が開かれた。話し合いの内容が北朝鮮と貿易に集まっていたのは想定通りだったが、北朝鮮に関しては事前協議で満足のいくものでなかったら首脳会談は行いわないと言明。また貿易問題についても、TPPへの復帰は好まないとして、日本とは2国間での協議をメインとするとした。
日本とのバイラテラルな交渉を進めるというのは、すなわち、アメリカの圧力のかけやすいほうを選ばされたということだ。それ自体は悪材料なのだが、そうとはとらえられず。かえって今回の議題で為替相場への言及がなかったことや、努力目標が具体的に出てこなかったことを好感した格好となっている。
ドル円は前日の高値も超えてきて、107円台の中盤まで到達。ドル円は上がったといっても、それほどのインパクトはない。日米会談で盛り上がっているのは日本だけで、欧米のニュースソースではほとんど話題にのぼっていないからだ。
北朝鮮はアメリカとの直接交渉をしているというが、そもそもこれは北朝鮮が望んでいたことだ。だからトランプ大統領の思惑とは関係なく、北朝鮮のやりたいほうに情勢が進行している。
以前に6か国協議を蹴ったのは、北朝鮮が多国間協議を嫌って対米の直接交渉にこだわったからだ。それが実現しそうなのである。少なくともアメリカ側も前向きだ。アメリカはうまく乗せられているようにも見える。
同じようなことがアメリカの通商交渉でも起こっているのが面白い。TPPはそもそもアメリカが日本にも入れと強要してきたものであった。それを自己都合で脱退して、今度は2国間のFTAを推進するというのだ。直接交渉ならば余地がありというのは、やっていることは北朝鮮と変わらないと言える。
今晩あたりからはG20の外相会合もトピックになってこよう。落ち着いてきたとはいえシリア問題について協議もされるだろうし、また北朝鮮問題も話し合われる。出てくる報道は突拍子もないものは出てこないだろう。また昨日の夕方の財務事務次官の辞任で、国内の政治も以前ほど騒がしくなくなってきている。
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