ここ数日はドル金利の上昇に歯止めがかかってきている。とはいっても上がっていかないだけで、高い金利状態のまま張り付いているというのが実情だ。金利の一段高こそしないものの、ドル金利の上げが一服した後でも、ドルの通貨価値は上げ続けている。
為替の王様であるユーロは対ドルで値を下げ続けており、ずっと年初来の安値を更新してきている。昨日も欧州の多くの国がメイデーで休みだというのにユーロドルの下げは継続しており、ついに1.20台にまで下がってきた。それだけドル買い圧力が強いともいえる。
私も久しぶりにユーロドルに触手がわいてきた。1.22台や1.21台では興味はなかったが、1.20台ともなると俄然、面白くなってくる。きっとレンジの端っこなのだろうなあと思いながらも、1.19台や1.18台まで走り出すのを想像している。
昨日も1.2050を割り込んできてからは、ユーロ売りで何度も入ってみた。スピードはのろい。まったく私と同じことを考えている人が多いのだろう。ファンダメンタルズはドル高だとわかっていても、すぐに短期的なドルロングがたまりこんでしまう。
それがユーロドルの下げ足を鈍らせているのは言うまでもない。ビットコインに限らず、面白いものにはすぐに飛びつきたくなるものだ。ニューヨークオープンまでにはユーロドルは1.2020あたりまで差し込んでいて、なおも戻しはない。
ISMの景況指数があまり良くなかったので、ドル売りにならないといけないところだったが、米国株が安くなったのでリスク回避。それでユーロ円も売られたので、下に行きたがっていたユーロドルもついに1.19台に突入したというわけだ。
ドル相場の上昇は株価、とくに米国株にとってはマイナス材料となる。これは日本の事情を裏返して考えてみればいい。ドル金利の上昇による企業コストの増大に加えて、輸出採算の悪化が株価の伸びの足を引っ張るのだ。昨日の米国株は相当に下押し圧力が加わった。
ダウ平均やS&P指数は大幅安を演じることとなった。しかしニューヨーク引け後のアップル決算を期待した株買いのリスクテークが起こって、米国株は終盤で値を戻した。ドル相場もドルの高値引けとなっている。
今晩はFOMCの結果発表があるが、何も期待されていない。せめて利上げのペースに変更でもあるのではないかと、声明文の文言を読み解こうとする努力もなされているが、前回に利上げしたばかりである。
どのような環境の変化があったにしても、当局者の立場からすれば、「もうちょっと見てみたい」というところであろう。しかもドルの短期金利先物には年4回分までほぼ織り込まれつつある。いまさら年3回を議論しても始まらないのである。
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