昨日のアジア時間ではドル円は110円ちょうどを挟んだ動きで、値動き自体はそれほどもなかった。欧州序盤ではユーロ買いに力が入ってきて、ユーロドルはいよいよ1.18台に乗せてきた。やはり来週のECB金利会合を気にしてのことだろう。
資産購入の減額の方法についてのプログアムを、かなり明確にフォワードガイダンスの中に打ち出してくるものと見られているからだ。また出口戦略に関する議論もなされそうだということで、ユーロの値保ちを良くしている。私も欧州時間では何度もユーロドルを買ってはすぐに売ってを繰り返していた。あまり大きく値崩れしそうにもないからだ。
一方で新興国の通貨安が問題視された。今に始まったことではないのだが、トルコ中銀が予想されていたものよりも大幅な利上げに踏み切ったことが危機感を増大させた。1年以上も前になるが政権クーデターの影響がまだ残っているようでもある。
またシリアやイランに関連した外交問題も加わって、トルコは欧米との距離を広げざるをえない状況に追い込まれている。通貨を売るには格好の材料とみなされているのだろう。
次いでニューヨーク時間に入り、現在ゼネストで国内産業が混迷しているブラジルの通貨が急落した。それを受けてマーケットでは全体的にリスク回避が起こり、ドル金利も急低下した。
とくに長期債は安全資産としての位置づけのステータスが高いので、債券相場の急激な上昇はマーケットを恐れさせる。米国株も下落に転じた。リスク回避の流れからドル円もユーロ円も値を下げることとなったが、下げ幅はそれほどでもなく限定的なものにとどまった。
日本でだけでしか報道されていない日米首脳会談は、おおむね想定の範囲内の結果で終わった。だからそこからはマーケットを動かす材料は出てこない。
今晩は経済イベントがない。フォーカスされているのはサミットだが、共同声明を出せない状態だというので、そこからはトランプ大統領の姿勢がどうなのかを見ることだけしか楽しみはないだろう。
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