昨日はアジア時間で日本株が純粋に上昇。これは米中摩擦やはりただのモーションだという楽観論が台頭してきたからだ。どうせ深刻な紛争には発展しないのだと考えると、どうしてもリスク回避の一巡後はリスクテークしたくなる。それにしたがってドル円も堅調。ずっと110円台の大台を大きく割り込むことなく推移した。
海外市場でも米中問題を材料視しながらも、基本的には楽観的。対EUでの貿易問題もあるが、これすらも落としどころを探っているという状況だと解された。米国株の上伸とともに、ドル円も110円台の中盤まで値を上げてきて、ユーロ円も強い。
中国が強力に報復措置を採るといったので、米国株は終盤に押されもしたが、それでも総じてドル円やユーロ円など、リスク性に敏感なものは、おしなべて高値圏をキープした。
昨日もダウ平均が下がって、7日続落ということになっている。しかし感覚としては、毎日、上がっているようにしか見えない。アジア時間や欧州時間で株価にとっての悪材料、例えば米中摩擦の激化などだが、それによって米国株は大きく下がってスタート。
しかしその後のニューヨーク時間のコアタイムでは、もっぱら買いが優勢となる。確かに1日が終わってみれば、前日の終値で比較すると株価は下がっているのかもしれないが、日中はしっかりとした足取りなのである。安くなっているけれども、チャートなどに記録される日足の足型では、陽線を形作ってしまうのである。
その結果としてアメリカ株の代表であるS&P指数を見てみると、そのレベルはすでに2700台の後半。史上最高値が1月につけた2878なのだから、もう100ポイントしかない。これまた、いつ記録を塗り替えてもおかしくない水準まで上がってきているのだ。もちろん3月、4月に米中摩擦で盛り上がったときの株価水準よりも、はるかに高いレベルに位置している。
さて今日もアジア時間ではリスクテークが進んでいる。ドル円は110.70アラウンドまで高値を付けてきて、なおも値を崩さないでいる。今晩のBOEの金利会合が注目を集めている。先週のECBに続き、何らかのタイトニングへのメッセージを出せるのかどうか。
ここ最近のドル高にともなうポンドドルの下落で、いつの間にか1.31台まで下げてきている。もう一段安となるのか、反発するのか。下げるとしたら、その下げはかなり大きいものが期待でき、それに伴ってユーロドルも今年の最安値である1.1510を一気に下抜けしてしまうかもしれない。
日本時間 16時30分
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