昨日は欧州序盤でユーロドルが下方向をトライ。今年の最安値は1.1510あたりで、2回も止められている。関係者にとっては重要なサポートとなって立ち塞がっている。だからその近辺に近づくと、緊張感が高まる。
しかし昨日の安値は1.1528までで、フレッシュローを形成するには至らなかった。私もユーロ売りをしようと構えていたのだが、結局は出動なしとなってしまった。
ドル円も110円台の前半をウロウロするだけで、ダイナミックな動きは見せないでいる。ただグローベックスのほうで米国株が大きく値下がりしていて、ここ2週間の安値を下回ってきていた。
マーケットはリスク回避を意識せざるを得ないはずなのに、ドル円は無関係な動きに徹しているし、ユーロ円も下がらない。ユーロ円が下がりためにはユーロドルが1.15台を割り込んでこないといけないと思うから、余計にビッドが出てくるのを助長するのだろう。
ニューヨーク時間ではユーロ買い戻しも入ったが、ついに1.16台にクリアに乗せきることはできなかった。ユーロは依然として目先が重いといわざるをえない。昨日からEUの首脳会議が開かれているが、難民の扱いや共同予算の件ではまったく一致ができないでいるようだ。
人権やお金に関することで合意できないということは、その組織の存在が疑われる。決められない組織ならば要らないだろうというわけだ。どこを落としどころにしても、後にシコリを残しそうだ。
全員が不満足になるのを我慢する。それが1票ずつ持っている組織の運命であり、今はやっているところのアメリカが最も嫌う決定方法なのかもしれない。
一方で債務問題を抱えていたギリシャの首相は元気だ。債務が消滅したわけではないが、マケドニアの国名問題でいちおうの妥協をしたことで、欧州各国の支持を得ている。
まあ、それよりもメルケル首相もマクロン大統領もみなワールドカップ・サッカーの行方のほうが気になって仕方がないといったところだろう。ともかくもユーロの先行きは不透明感が強く、したがってユーロドルやユーロ円が一気に下抜けするリスクをはらんでいる。
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